施工上の注意(プレス式工法)
- 2016.09.20
- カテゴリ: 施工|Construction
ベンカンのメカニカルジョイントの接合工法は、「プレス式」、「拡管式」、「ワンタッチ式」の3工法に分類されます。
各工法、それぞれに異なる特徴を持ち合わせていますので、施工上の注意点も違ったものになります。
最近の事例をご紹介させていただきながら、プレス式の施工上の注意を促させていただきます。
対象の製品は、一般配管用ステンレス鋼管(JIS G 3448)対応の 「モルコジョイント」、「ダブルプレス」、建築配管用銅管対応の「CUプレス」、樹脂管対応の「JPジョイント」の4製品となります。
それぞれの「施工マニュアル」の冒頭に記載させていただいております 3大注意事項です。
(1) ゴムリングに傷を付けない
(2) ラインマ-クまでパイプを差し込む
(3) プレス忘れをしない
プレス式工法のシール性能は、製品本体端のカール部を専用工具でプレスすることにより、カール部内に装着されたゴムリングを圧縮することで生みだされます。
故に、ゴムリング自体に傷をつけたり、プレス忘れや不足などがあれば、正規のシール性能が発揮できなくなってしまいます。
実際の現場で見られた、施工の不適合事例です。
配管内部に空圧を加えることで、リークしていることが確認できます。
製品(ダブルプレス)を半割りに切断して内部を見ると、ゴムリングが切断されていることが確認できました。
ゴムリングに傷を付けないためには、切断したパイプの面取り処理が重要となります。
お薦めは、外バリの出にくいパイプカッターによる押し切りです。
高速カッターなどによって切断した場合に出た外バリは、リーマーやヤスリで面取りして除去する必要があります。
また、出荷時の製品は、潤滑材であるシリコーンが塗布されたゴムリングが装着されて、ビニル袋で密閉梱包されております。
しかしながら、長い間、ビニル袋から出されていると、シリコーンが乾燥してしまう場合もあります。
施工の際に、製品にパイプを差し込むと通常よりも硬い感触があった場合は、そのまま強引に差し込むことは控えて下さい。
その場合は、一旦、パイプを抜いて、製品内部のゴムリングの状態を確認していただく様にお願いいたします。
パイプに指定の潤滑剤スプレーや水を塗布していただくと差し込み易さが改善されます。
ゴムリングの切断に関しましては、水圧試験を行うことで発見できることではありますが、やり直す手間や費用を考えれば、事前に確認して、やり直す方が得策です。
尚、ここでご紹介した施工上の注意は、あくまでも事例を元とした一部でしか過ぎません。
実際には、必ず、弊社による施工説明会を受講していただき、それに則った施工をしていただくことをお願いいたします。
今後も、より良い製品づくりと、正規取り扱いのご説明に努めさせていただきますので宜しくお願い申し上げます。
mitsuaki motoda