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コラム

ステンレス鋼の前置記号

  • 2016.12.10
  • カテゴリ: 知識|Knowledge

|ステンレス鋼

 

ステンレス鋼とは、鉄(Fe)をベースに、クロム(Cr)などを配合して人工的に造った金属です。

その定義は、「炭素含有量 1.2%以下・クロム含有量 10.5%以上の鋼」とされています。(ISO規格より)

 

クロムと言えば、鉄などを錆にくくするためのメッキ材として有名です。

表面が輝いている金属をステンレス鋼だと思っていたら、実は、クロムメッキされた別の金属だったなんてことも少なくありません。

 

そして、このクロム(Cr)が大気中の酸素(O)と結合する事で、表面に1~3nm(ナノメートル)程の薄い「不動態皮膜」を形成します。※1ナノメートル=100万分の1ミリ

この「不動態皮膜」が保護皮膜となり、最大の特性でもある耐食性を高めている事になります。

 

更に、ステンレス鋼の優秀さを高めているのが、不動態皮膜の自己修復機能です。

仮に加工中や使用中に不動態皮膜が破壊されてしまった場合でもメッキや塗装と異なり、鋼中のクロム(Cr)と大気中の酸素が結合し、瞬時に再生します。

この再生に時間がかかれば錆びが進行してしまうため、瞬時に再生することは重要な機能となります。

 

ここが、ステンレス鋼が、衛生的な金属といわれる所以でもあります。

 

ステンレス鋼

 

|ステンレス鋼の種類

 

ステンレス鋼には、様々な素材を添加や処理方法などを研究することで、無限に新素材を開発できる可能性が秘められています。

例えば、一般環境での使用では、ご紹介したステンレス鋼で十分であると思われますが、時代の変化に合わせて様々なニーズに応えるための新しい種類が開発され続けております。

 

現在、100を超える種類のステンレス鋼が存在していると言われています。

それらは、主な含有成分や特性によって、種類区分されています。

 

オーステナイト系は、一般に延性および靭性に富み、深絞り、曲げ加工などの冷間加工性が良好で溶接性も優れています。

さらに耐食性も優れ、低温、高温における性質も優秀です。
これらの優れた性質のため、用途は広範囲にわたっており、家庭用品、建築用、自動車部品、化学工業、食品工業、合成繊維工業、原子力発電、LNGプラントなどに広く用いられ、生産量は、全ステンレス鋼の60%を越えます。

 

マルテンサイト系は、焼入れにより硬化するので、成分と熱処理条件を選ぶことにより広範囲の性質が得られます。

棒鋼、平鋼の形状で使用されることが多く、高強度、耐食・耐熱性が必要な機械構造用部品、例えばタービンブレード、ポンプ、シャフト、ノズル、軸受、ベアリング、あるいは、刃物、外科用器具としても使用されます。

 

フェライト系は、オーステナイト系とマルテンサイト系の中間的な位置づけにある性能を有し、厨房用品、建築内装、自動車部品、ガス・電気器具部品などで、主に薄板および線の形で使用されています。

また、近年の技術の進歩によって、その性能は、オーステナイト系に匹敵するまでに高まっています。

 

オーステナイト・フェライト系(二相系)は、オーステナイト系とフェライト系の金属組織を持ち、耐海水性、耐応力腐食割れ性に優れ、そのうえ強度も高いという性質があります。

これらの特性により、海水用復水器、熱交換器および排煙脱硫装置などの公害防止機器や各種化学プラント用装置に用いられています。

 

ステンレス鋼の種類

 

 

|前置き記号

 

ダブルプレス(横長)

100種類を超えるステンレス鋼を4項目だけで分類することは困難です。

 

ステンレス鋼をSUS(サス)と呼ぶ場合もあります。

SUSとは、S=鋼(Steel)、U=特殊用途(special Use)、S=ステンレス(Stainless)の略で、ステンレス鋼を意味する専門用語と考えて良いかと思います。

 

そして、このSUSの後に、各ステンレス鋼を区分するための数字やアルファベットが付いたものが前置き記号となります。

また、このSUSの前置き記号ですが、基本的には圧延あるいは塑性加工されたステンレス鋼材に適用されます。

ベンカン製品であれば、「ダブルプレス」や「モルコジョイント」、「SUパイプ」が、オーステナイト系のSUS304または、SUS316となります。

 

対して、溶解して型に流し込んで鋳造加工されたステンレス鋼材に適用される前置き記号がSCSとなります。

これは、Steel Casting Stainlessの略となります。

ベンカン製品では、「BKジョイントⅡ」や「EGジョイント」が該当します。

 

前置き記号の異なる、SUS304とSCS13ですが、どちらもステンレス鋼としての素材成分としては大きな違いはありません。

しかし、ステンレス鋼になるまでの製法プロセスが異なりますので、それ故の性質にも若干の違いが出ます。

尚、ベンカンでは、SCS製品には、相当するSUSと併記する様にしております。例 : SCS13(SUS304相当)、 SCS14(SUS316相当)

 

その他、前置き記号として、ベンカン製品には関係しませんが、耐熱鋼の板や棒材を示すSUHや耐熱鋼の鋳鋼材であるSCHなどがあります。

 

金属加工法「塑性加工」

 

 

金子

 

  金子 美智子(Michiko Kaneko) 製造部 品質管理課 課長

 

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