「冷媒ダブルプレス」の開発(省力化が対応可能の火無し継手)
- 2023.08.10
- カテゴリ: 製品|Products
|冷媒ダブルプレスの開発
昨今の建築業界の課題は、作業者不足です。
そもそもの作業者数が激減している上に、働き方改革の一環で勤務時間の短縮が求められています。
また、冷媒銅管の施工であれば、一般的なロウ付接合は火気を使用することから、引火による火災発生が懸念されています。
こうした課題・問題点を解決するために、「冷媒ダブルプレス」を開発いたしました。
冷媒配管用銅管に対応する継手には、ロウ付以外にも様々は種類・工法があります。
ベンカンと致しましては、衛生配管分野において50年以上の実績があり、またベンカンがもっとも得意とするプレス式工法を採用致しました。
|時期割れナシのステンレス鋼製
また、もう一つの特長は継手本体の材質を黄銅素材ではなく、ステンレス鋼(SUS304)を使用していることです。
現在、冷媒配管用の主流とされている使用パイプは銅管です。
「銅管パイプにステンレス製継手を使うの?」と疑問に思われる方もおられるかもしれません。
実はそのステンレス製継手を使用したことには、大きな理由があります。
高耐久素材であるステンレス鋼を使用することにより、従来の黄銅材の3倍の強度を持ち合わせたており、安定した耐久性・耐圧性を持たせることも可能です。
黄銅材のような時期割れも発生しにくくなっております。
|課題・問題解決のご提案
「冷媒ダブルプレス」は、メカニカルジョイントの特性を活かして、冷媒配管における課題・問題解決をご提案します。
1.施工管理をバックアップ
気密試験及び六角ゲージによる締め付け確認を行えば、竣工後の脱管はありません。
冷媒ダブルプレスは正規工法で施工された場合においては竣工後に不適合が生じることはありませんが、仮にパイプの差し込み不足があった場合にでも、シール材外側のセーフティーエッジ効果により、十分な引抜阻止力性能を有しております。
2.優れた材質による耐久性と耐圧性をバックアップ
継手本体にステンレス鋼(SUS304)を使用しております。
耐食性に優れたステンレス鋼を継手本体に使用することにより、高耐久性能と耐圧性能の両方を実現しております。
また、従来素材のような時期割れもありません。
3.安心・安全な施工環境をバックアップ
火気を使用することなく配管接続が可能となっております。
施工時に火気の使用がありませんので内装などへの可燃物への引火の心配がありません。
また、水気の除去や磨きの作業、薬品の必要がないので、安心かつ無駄な時間を要さず施工が可能となります。
|冷媒配管とは
配管とは、パイプや継手などをトータル的に設計して、液体や空気といった流体を、目的箇所まで適切に配送するシステムのことです。
その用途は様々であり、当然、配管も、その用途によって仕様が異なってきます。
そして、エアコンの室内機と室外機をつなぐ役割を担っているのが、冷媒配管となります。
冷媒配管には、熱を運ぶ役割をしている冷媒ガスが使用されております。
従来、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)などが冷媒として広く使われておりましたが、オゾンを破壊する特定フロンと指定され、全面廃止となっています。
現在は、オゾン層を破壊しない代替フロンと呼ばれるHFC(ハイドロフルオロカーボン)が使用されます。
冷媒配管は一般的な空調配管とは異なり、特殊な配管であることから高圧ガス保安法、冷凍保安規則などの規定が関わってくる特殊な配管であると言えます。
よって、冷媒配管工事においては、次の三原則が重要視されます。
①気密:配管内に漏れがなく、気密状態が保たれている
②乾燥:機器の故障、内部の凍結・結露をさせないよう水分を入れない
③清潔:ゴミなどを配管内部に侵入させない
配管材としましては、一般的に銅管(JIS H3300 C1220T 規格品)に断熱材(JIS A9511 A-PE-C-2 準拠)が被覆された空調冷媒用被覆銅管が使用されています。