経営「企業理念」
- 2016.08.10
|経営とは
企業は、社会的機関の一員です。
そのためには、企業にとって、社会的な責任を果たすのは義務です。
企業のCSR(社会的責任:Corporate Social Responsibility)とは、事業を通して、あるいは事業以外で持続的な発展を目的として行う自主的取り組みと解されています。
翻せば、この社会的責任と社会的価値を有せない組織は、社会における存在意義(パーパス:Purpose)がなくなってしまいます。
また、企業に関わらずSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)への貢献が求められる時代でもあります。
それを考えると、ESG経営が求められる時代でもあります。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を意味します。
気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題が顕在化している中、企業が長期的成長を目指す上で重視すべきESGの観点での配慮ができていない企業は社会から存在意義を認められないという考え方です。
CSR、SDGs、ESGなど様々なキーワードが飛び交いますが、この中で、如何なる経営方針を打ち出すかも重要視されていると捉えております。
|企業理念の変更
ベンカンは、溶接式管継手事業と分社化した2016年8月を機に、企業理念を変更致しました。
企業理念とは、企業が社会的責任と社会的価値を提供し、その存在意義を示すものです。
ある意味、社会や顧客との約束を定めたものである以上、頻繁に変えるべきものではありません。
ベンカンは、1947年の創業より、ぶれることなく配管に携わってまいりました。
しかしながら、一口に配管といっても様々な社会的な存在意義があります。
また、時代によってそれも変化します。
それらを踏まえて、見直すべきと判断しました。
その発端は、昨年(2015年)の国連サミットで、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採決されたことです。
SDGsには、17の目標がありますが、分社化後のベンカンの事業が、特に4つの目標に貢献できるものであると確信しました。
目標6 [水・衛生]
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
目標9 [インフラ、産業化、イノベーション]
強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的※かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
目標11 [持続可能な都市]
包摂的※で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
目標12 [持続可能な消費と生産]
持続可能な消費生産形態を確保する。
|企業理念
理念における捉え方は企業によって様々です。
ベンカンでは、ビジョン(Vision)、ミッション(Mission)、行動指針で構築させております。
SDGsを通して最初に意識したのは、社会における存在意義(パーパス:Purpose)を高めるために何ができるのかでした。
それを考えた場合、まずは、ミッションを定めました。
-ミッション-
現在だけではなく 未来を考えた配管の開発と供給を通して 信頼あるライフラインの構築を提案する
また、ミッションを社員が共有し、さらには、社外のステイクホルダー(利害関係者)の皆様にも認識していただけ易いように、ミッションブランドで掲げました。
-ミッションブランド-
SUSTAINABLE LIFELINE® (商標登録2016年12月16日)
次に、このミッションが遂行できた場合に、ベンカンはどうなっているかを考えました。
社会における存在意義(パーパス:Purpose)が高いということは、社会に必要とされる企業を意味します。
それこそ、目指すべきビジョンは、サステナブルな企業になることと認識しました。
-ビジョン-
社会における存在意義を高め〝サステナブル企業〟を目指します
以上、ビジョンを遂行することで実現されるのがビジョンです。
そして、ビジョンを実現するために遂行するのがミッションということになります。
|誠実な経営
何度も読み返している書籍に「7つの習慣」があります。
その中で、「正直」と「誠実」の違いが示されています。
「正直」とは、現実を、そのまま伝えることです。
「誠実」とは、伝えたことを、実現させることです。
私は、その様に解釈しています。
企業にとっての「誠実」とは、正にミッションの実現に尽きると考えます。
「誠実」とは、もっと簡単に表現したら、約束を守ることではないかと考えます。
もちろん、約束にも難易度があります。
例えば、ベンカンが掲げたミッションですが、それに見合った企業かと問われたら決して、そうではありません。
正直、今のベンカンでは、難易度の高いものであると考えます。
しかしながら、決して妥協することなく、徹頭徹尾、チャレンジし続けることが大切であると捉えています。
そして、1日でも早く、このミッションに相応しい存在になろうとする行いが「誠実」につながって行くのだと思います。
その意味でも何を大切に行動するかの指針を次のように定めました。
-行動指針-
私たちは ビジョンの実現に向けて 誠実に ミッション遂行に取り組みます
1.お客様の声に耳を傾け、その声に お応えすべく全力を尽くします。
2.独自の価値を創造すべく、 常にチャレンジし続けます。
3.安心・安全な社内環境づくりに務め、モチベーションの高い職場であることを目指します。
4.社員をはじめとした ステイクホルダー※ へ還元するための、正当な利益を追求します。
5.社会において、事業と事業以外に関わらず、その存在意義を高めることに努めます。
6.社会的責任を果たし、公正な企業活動を通じて、正しい情報の共有に務めます。
※ステイクホルダーとは、社員、顧客、取引先などの全ての利害関係者を意味します。
今後、この行動指針に基づきミッションを遂行し続けることで社会における存在意義(パーパス:Purpose)を高め、ビジョンの実現を目指すことをお約束いたします。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長