「食」を楽しみ、育む
- 2017.02.05
人の健康について、WHO憲章では、次のように定義されております。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること(日本WHO協会訳)」
そして、その健康を保つため絶対に必要な「健康の三大要素」が、「栄養バランスのとれた食事」、「適度の運動」、「十分な休養(睡眠)」とされています。
そもそも、この三大要素とは、マズローの「欲求5段階説」による生きていくための基本的・本能的な欲求である「生理的欲求」に属するものです。
最近、「食育」いう言葉を良く耳にするようになりました。
その背景には、近年、「食」に関連した様々な問題が浮き彫りになっているからともいえます。
「食」は、先述の通り、人が生きて行く上で欠かせないとされる「生理的欲求」の一つです。
しかし、決して空腹を満たせば良いものではありません。
「健康の三大要素」にも「栄養バランスのとれた」と明記されている通り、暴飲暴食は当然ながら、過度のダイエットなどによって低栄養が続けば、様々な健康面問題からまともな生活が出来なくなってしまいます。
逆に栄養バランスのとれた「食」を実現すれば、健康的な生活を得ることも可能となる訳です。
栄養バランスをよくする理想的な方法は「1日30品目以上」の食材を食べることとされている通り、偏食のない「食」が基本かと思います。
ポイントとして、「三色食品群」や「6つの食品群」というのが設定されていますので、それらの食品群の中からバランスを考えながら食材を選んで食べるようにすれば、自然に栄養バランスもよくなります。
また、「食」には、難しい能書きを垂れずに、時には美味しいものを食べることで、ストレスを解消してくれたりもしてくれるはずです。
ダイエットで敬遠されがちなスウィーツも、脳のエネルギー源が糖分(ブドウ糖)である以上、場合によっては必要な場合もあります。
さらには、家族や友人、会社などのお付き合いにおけるコミュニケーションの場ともなれば、やはり「食」は欠かせません。
「食」が人をつなぐとも言えるかと思います。
そして、「食」は食べることだけではありません。
例えば、自然の恵みとして野菜や果物、魚介類などの収穫体験、それを、料理をしたり、あるいは季節や地域の料理を味わったりすることで、コミュニケーションだけではなく、食の安全や食料の外国依存などの問題を考え学ぶこともできるのです。
食を取り巻く環境が大きく変化しています。
こうした中で、食に関する知識を身に付け、健康的で、感情豊かな食生活を実践することにより、心と身体の健康を維持することを育むことにつながるのかと思います。
皆さんも、是非、「食」を考え、「食」を楽しみ、「食」を育みましょう。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma)
代表取締役社長