マネジメント「優先順位」
- 2017.10.30
|マネジメント
企業には、特有の目的を果たすことによって、社会において存在することの意義が求められます。
そのために、ヒト、モノ、カネ、情報などの様々な経営資源を活用することとなります。
しかしながら、それらの資源には、多能な要素があります。
例えば、人材であれば、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。
それ故に、それぞれのメリットを活かし、それぞれのリスクを補い合いながら、効率的に成果に結びつける必要があります。
そして、この企業の目的を果たすための機能のことをマネジメントと言います。
マネジメントとは、まるで、異なる形のたくさんのピースをハメ合わせて、大きなパズルを完成させるようなものです。
|時間管理マトリクス
経営資源には、時間も含まれます。
限られた時間を活かして、効率的に成果に結びつける必要があります。
そのために必要なのが、時間の管理術です。
例えば、有名な自己啓発書である「7つの習慣」の中で縦軸を重要度、横軸を緊急度で分類した「時間管理のマトリクス」が紹介されています。
■ 両極端な[第1領域]と[第4領域]
ここで、判り易いのが、[第1領域]と[第4領域]です。
[第1領域]は、緊急で重要な仕事なのですから、成果を高めるために迷わずに行動しなければなりません。
次に[第4領域]ですが、目的のない仕事です。
どんなに行動しても成果の出ない行動ですので、即刻止めるべきです。
■ 目的意識を持つべき[第3領域]
いつも忙しく働いているに関わらず、なかなか成果が出ない人・・・
この場合は、仕事に優先順位を付けることができず、場当たり的に手を着ける[第3領域]にはまっている方に多い傾向です。
まず、重要ではないのですから、根本的には、[第4領域]と同様に即刻止めるべきです。
しかし、緊急度が高いと言うことは、無駄だからと言って容易に止められない、何らかの規制や圧力が掛かっている可能性があります。
そもそも、[第3領域]は目的意識がない仕事が多いと言えます。
例えば、「前任者から引き継いだ」、「伝統として行っている」などです。
何のために行っている仕事なのかを原因を追及することによって、逆算思考によって改善を促し、全廃を目標に削減すべきです。
■ 価値を高める[第2領域]
そして、[第3領域]と[第4領域]で浮いた時間を、[第2領域]に投入して欲しいのです。
むしろ、[第2領域]に投じる時間を確保してから、他の領域に時間を配賦する考えの方が正しいとも言えます。
[第2領域]とは、緊急ではないが重要な行動・・・つまり、付加価値を高める行動です。
企業の目的である「顧客の創造」には、即効性はないと覚悟すべきです。
それだけに、マネジメントとは、組織において、如何にして[第2領域]の行動を増やすことが出来るかが重要になってくるのだと思います。
|仕事の優先順位
仕事をする上で、まず第3領域の「緊急だが重要ではない」の見極めです。
緊急ですので、優先順位は高くなってしまいます。
忙しいことで、重要であるかのような錯覚に陥るのです。
そこに気づくためには、自分が組織の一員であることに立ち返ることも必要であると思います。
同様に第2領域の「緊急ではないが重要」を見失ってはなりません。
重要であるにも関わらず、緊急ではないために、後回しになってしまいがちだからです。
しかし、緊急ではないからこそ、将来の目的のために欠かせない取り組みであるといえます。
これらの優先順位をつけるには、その仕事の上位にくる仕事は何かを具体化することです。
そもそも組織とは、同じ目的や目標を達成するためにあります。
そのために役割を分配しているのです。
つまり、自分自身の仕事の成果を他の人たちの仕事の成果と合わせた時に、組織の目的なり目標の成果となる必要があります。
よって、自分の仕事の上位に来る仕事がない場合、その仕事は、仮に緊急であっても重要ではない可能性があると考えるべきです。
いわゆる、マネジメントサイクルと呼ばれるPDCAを常に回していれば、自ずと気づくはずです。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長