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コラム

安全衛生「メンタルヘルス」

  • 2016.12.16

|メンタルヘルス

 

テレビや新聞報道で職場における「メンタルヘルス」問題が大きく取り上げられております。

 

そもそも、「メンタルヘルス(mental health)」とは、精神面における「心の健康」あるいは、「心の病気」への対策、予防、回復を目的とした場面で良く使われます。

直訳すれば「心の健康」を意味していて、世界保健機関(WHO)では「自身の可能性を認識し、日常のストレスに対処でき、生産的かつ有益な仕事ができ、さらに自分が所属するコミュニティに貢献できる健康な状態」と定義されています。

 

対して、この「メンタルヘルス=心の健康」が害されると「心の病気=精神疾患」にかかってしまいます。

 

実際、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成26年(2014年)は392万人、平成29年(2017年)では400万人を超えています。

内訳としては、多いものから、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などとなっており、 近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。

この人数は、日本人のおよそ30人に1人の割合であり、生涯を通じて5人に1人が「心の病気」にかかるともいわれ、もはや、特別な問題ではなくなってきています。

 

メンタルヘルス研修2014年

 

 

|ストレスとは

 

職場では、人間関係や業務過多など、自分だけではコントロールできない要素があるためストレスが大きくなる傾向があります。

実は、このストレスが「心の病気」の大きな要因とされています。

 

メンタルヘルスですが、コップに溜まる水で例えられることもあります。

つまり、ストレスが水であって、その水が溢れてしまうようだと、メンタルヘルスに陥ってしまうという考えです。

如何に自分の心のコップに溜まる水を溢れないようにするかが大切になってきます。

 

それ故に、まずは、ストレスを正しく認識することが大切になります。

 

そもそも、ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。

外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。

つまり、日常の中で起こる様々な変化や刺激が、ストレスの原因になるといえます。

例えば、意外かもしれませんが、結婚、出産、進学、就職などの喜ばしい出来事も変化や刺激ですので、ストレスの原因になり得ます。

 

ストレスを抱えると、様々なストレスサインが出るといわれています。

 

ストレスサインの例

気分が沈む、憂うつ・何をするのにも元気が出ない・イライラする、怒りっぽい・理由もないのに、不安な気持ちになる・気持ちが落ち着かない・胸がどきどきする、息苦しい・何度も確かめないと気がすまない・周りに誰もいないのに、人の声が聞こえてくる・誰かが自分の悪口を言っている・何も食べたくない、食事がおいしくない・なかなか寝つけない、熟睡できない・夜中に何度も目が覚める・以前と異なる状態が続く場合は、体調などについて聞いてみましょう・服装が乱れてきた・急にやせた、太った・感情の変化が激しくなった・表情が暗くなった・一人になりたがる・不満、トラブルが増えた・独り言が増えた・他人の視線を気にするようになった・遅刻や休みが増えた・ぼんやりしていることが多い・ミスや物忘れが多い・体に不自然な傷がある など

 

また、現在は、労働安全衛生法によって、労働者が 50人以上いる事業所では、毎年1回、ストレスチェックを全ての労働者※に対して実施することが義務付けられております。
※ 契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。
「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレス
がどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。
ストレスチェック

 

 

|ストレスとの付き合い方

 

ストレスそのものが、直ぐに「心の病気」となる訳ではありません。

問題なのは、ストレスを放置して溜めてしまうことです。

そうならないためにも、健康の三要素ともいわれる、バランスの取れた「食事」、良質の「睡眠」、適度な「運動」を伴った毎日の生活習慣を整えることが大切だといわれています。

そして、仮にストレスサインが出たときには、決して無理をせずに、リラックスできる時間を日常生活の中に持つことも大切です。

 

よくスポーツ選手が「ゾーンに入った」と表現する場合があります。

ゾーンとは、普通の集中を通り越した、極限の集中状態であり「フロー状態」と表現されることもあります。

これは、何もスポーツ選手だけに現れる現象ではありません。

 

実は、百害あって一利なしと思われるストレスですが、実は、高いパフォーマンスを発揮する際には必要な要素となります。

「ヤーキーズ・ドットソンの法則(1908年)」という考え方があります。

 

ストレスとは、生理的・精神的な覚醒を生み出すとされています。

そして、この覚醒は、生産性を向上させるという考えです。

しかし、この覚醒と共に生産性が向上するのは、一定レベルまでのことであり、覚醒レベルが高すぎると効率は下がるとされています。

この法則によれば、優れた成果を求めるのであれば、適度なストレスが必要であることになります。

 

これは、スキルとパフォーマンスのバランスに似ています。

パフォーマンスとは、持ちえたスキルをどれだけ発揮できるかだと考えます。

しかし、スキルを持っていたからと言って、それを容易に発揮できないからこそ、プレッシャーが掛かりストレスを生み出します。

持ち得たスキルの範疇で、それを高いレベルで発揮できたならば、高いパフォーマンスとなるはずです。

それには、それ相当のストレスは避けることができません。

対して、持ち得たスキル以上のパフォーマンスを発揮しようとしたならば、それは逆に焦りや不安を招き、実力以下の結果に終わってしまう可能性もあります。

また、持ち得たスキルを発揮しようと一定レベルのストレスを掛けなかれば、いずれ、持ち得たスキルも低下すると思われます。

更には、より高いパフォーマンスを発揮できるようにスキルを高めるためには、やはり、ストレスの伴う反復練習が必要になると考えます。

 

優れたアスリートは、スキルとの付き合い方を心得ていて、スキルを高めて、高いパフォーマンスを発揮するために、ストレスをコントロールしているのではないかと思います。

また、ストレス状態を有効に活用してフロー状態をつくりだし、パフォーマンスを高めるコモドーロテクニックなどもあります。

 

マネジメント「フロー状態に入る」

 

 

|ストレスの解消法

 

ストレスですが、高いパフォーマンスを発揮するためには必要でありながらも、必要以上となってしまっては逆にパフォーマンスが低下させていまします。

更に、それを解消しないまま溜めてしまうと「心の病気」になってしまうかもしれません。

そこで、ストレスサインが出るなど、気づいたときには、十分に休息をとり、気分転換をするなど、早めにセルフケアをすることが大切です。

 

右のグラフは、「ビジネスパーソンの疲れとストレスに関する調査2018」として、メディケア生命保険が1,000人のビジネスパーソンを対象に調査した際の「仕事のストレス解消方法ランキング」をグラフにしたものです。

その結果では、全体では「ストレスが溜まっている」と感じている人は、68.9%だったというこです。

アンケート(複数回答)結果では、「1位 ぐっすり眠る 31.9%」、「2位 美味しいものを食べる 28.1%」、「3位 旅行をする 23.5%」、「4位 ショッピングをする 22.5%」、「5位 お酒を飲む 22.5%」となっています。

気になるのが「お酒を飲む」なのですが、確かに適量の飲酒であれば効果が期待できますが、飲み過ぎは心にも体にも好ましくない影響を及ぼしますので要注意です。

 

また、最近では、最もストレスが溜まる立場ともいえる経営者層の中でブームになるくらいに「運動をする(ジョギング・スポーツジムなど)」ことでストレス解消を図る方々が増えているといわれています。

これは昨今の健康意識の高まりだけではなく、努力がそのままパフォーマンスとして現れるプロセスがストレス解消に最適との考えがあるようです。

 

ストレスを完全にさけられる世の中ではないことが現実である以上、如何に活用し、如何に解消させるかが現代人である私たちの課題なのかと思います。

 

マネジメント「エンボディメント」

 

 

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  我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) ico_sns_facebook 代表取締役社長

 

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