環境変化への対応力
- 2021.01.01
|環境の変化
事業の動向に影響を与える様々な要因を「環境」と称します。
高度経済成長期には、モノ不足からもたされる「作れば売れる」時代が続きました。
そして、国際的にも日本の製造業の高い技術力が評価され「良いモノを作れば売れる」時代に遷りました。
しかしながら、現代では技術力だけに頼ったビジネスモデルでは、既に限界を迎えていることは明らかです。
いつまでも「良いモノを作れば売れる」様な神話的な思考に依存していては、この限界から脱却はできません。
現代の環境を、1990年頃から使われた軍事用語を流用してVUCA(ブーカ)環境と表現される場合があります。
VUCA環境とは、Volatility(変動的)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字からの造語です。
さらに、2020年に、世界規模で襲った新型コロナ感染は、VUCA環境の予想の範疇すらも超えるような事態となっています。
既に、この予想外の事態に、政府の支援も行き詰り、多くの企業は疲弊しています。
また、企業に限りませんが、SDGs(持続可能な開発目標)にも言える通り、危機的な環境維持や改善に地球規模で取り組まねばなりません。
結局は、この環境の現状と短期的な将来を分析して、自助対応により、この事態を耐え、躍進に結びつける中長期の戦略を講じて行く以外にないと考えます。
|変化への対応力
過去、時のヒトとなり、様々なメディアで讃えられていた企業の経営者や政治家、有名人が、考えられないようにあっけなく姿を消したり、失脚する時代です。
一時的に輝くのであれば、実力や努力が不要とはいわないまでも、虚勢やフロックでも可能なのかもしれません。
しかし、自分の価値観だけでモノ事を決めつけてしまうヒト・・・
外部環境は当然ながら、身内である内部環境にも目を向けようとしないヒト・・・
更には、何もしないことが現状維持と勘違いしているヒト・・・
この様なヒトは、いつしか変化する世の中に取り残され、忘れ去られた存在になりかねません。
『進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。』
これは、学問のススメの福沢諭吉氏の言葉です。
現状を現状のまま維持したいという想いから、新しいことにチャレンジしないヒトは現状を維持することもできない。
良くも悪くも現状で満足あるいは妥協することなく、新しいことにチャレンジすることで躍進することができる。
今の時代だからこそ、尚のこと相応しい言葉であると思います。
|チャレンジ精神と実行
企業の目的は、如何にVUCA時代と言えども「顧客の創造」であることは不偏です。
その目的を果たすために、この数年、ベンカンには変革が求められ、それに応えるべく取り組んで参りました。
しかしながら、振り返れば、それが望ましい量、質、速であったかと言えば、疑問です。
外部環境に向けては、顧客のニーズに対して、ベンカン独自の価値ある製品やサービスであるバリュープロポジションをご提供し切れていませんでした。
内部環境に関しては、経営、従業員双方の現状維持バイアスや既存の制度などの柵から、思い切った改革を実施できておりませんでした。
そもそもベンカンのスローガンは、『知恵と勇気を持って 変化にチャレンジしよう!』です。
私たちは おかれた環境の変化を意識して、それに立ち向かうために自らも変化します。
2020年のコロナ禍は、予知範疇を遥かに上回る厳しい環境でした。
しかしながら、そのお陰で躊躇していた変革を思い切って実施することも出来ました。
コロナ禍は、2021年も続きます。
しかし、2020年とは異なり、ある程度の想定した対策を施すことが可能です。
2020年に実施した変革実績をベースに、2021年は外部環境、内部環境に向けて課題を掲げてチャレンジし、コロナ禍以前よりも「顧客の創造」に応えられる企業になりたいと思います。
皆さま宜しくお願い申し上げます。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma)
取締役 最高執行責任者(COO)兼 執行本部 本部長