社会貢献「ボーイスカウト運動」
- 2012.12.17
|社会貢献
企業に対して、その社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)あるいは、社会における企業の存在意義(パーパス:Purpose)が問われています。
さらには、2015年の国連サミットでは、地球規模の持続可能な開発目標を掲げたSDGsが採択されました。
ベンカンにおいては、これらを推進させる上で、このSDGsに沿った取り組みを、まず、事業活動を通して努めることを徹底しております。
その上で、出来る限り、事業活動以外でも貢献することに努めます。
私にとって、社会貢献活動の原点になっているのは、小学3年生当時に入隊したボーイスカウトでした。
一人っ子であった私は、父と母の3人暮らしでした。
お爺さん、お婆さん、兄弟姉妹のいる友人と比べると、他人を思いやる気持ちが希薄であったと思います。
それを察した母が、入団させたのがボーイスカウトだったのです。
ボーイスカウトの活動を通して、人は一人では生きて行けない現実と人は決して一人ではない現実を体験しました。
それは、退団した中学3年生以降でも様々な場面で役に立っていますし、会社組織では特に感じているところです。
|ボーイスカウト
ボーイスカウトとは、子どもたちの好奇心や探求心にこたえる活動を通して、心身ともに健全な人材・・・一人前の人材を育成することを目的とした世界的な規模の教育運動です。
その起源は、1907年のイギリスで、創始者であるロバート・ベーデン・パウエル 卿が、20人の少年と共に実施したキャンプとされています。
元々、自身の生い立ちや体験を通し、青少年教育に大きな関心を持ったパウエル卿は、少年たちが男らしさを身につけ、将来社会に役立つ一人前の人間に成長する上で、野外活動における体験は有益であると考えました。
具体的には、少年たちの旺盛な冒険心や好奇心をキャンプ生活や自然観察、グループでのゲームなどの中で発揮させ、遊びを通して自立心や協調性、社会性、たくましさやリーダーシップなどを身につけさせようとしたとされています。
大切なのは、どんなにパウエル 卿が声を上げても、一人では何も出来なかったのではないかということです。
結局、その考えに賛同する形で、この活動は組織となって、現在では、世界172の国と地域、5,700万人以上、日本では約9万人もの人たちが参画しています。
ベトナムのグループ会社であるベンカン・ベトナムのハイ工場長もボーイスカウト運動に参加していて、現役です。
現在は、小学低学年の隊長として活躍されています。
ボーイスカウト運動には、世界共通の明確な理念があります。
ビジョン:Creating a Better World (より良き社会を創る)
ミッション:より良き社会人の育成
スローガン:備えよ常に
また、行動指針ともいえる ちかい は、自分自身に対して誓うものであり、おきて は毎日の生活の指針として自分の行動を律するものです。
どのようなときにも、どのような場でも、すべての活動が ちかい と おきて の実践を基盤において行われてます。
これらは、現在の会社組織を統治する上でも非常に参考になっています。
|奉仕活動
人は、社会やコミュニティ、または個人の特定ニーズを満たす上で、一人で成し遂げることができることには限界があります。
そのために何らかの組織を形成する訳ですが、組織の中では、その特有の目的を果たすために、様々な活動を繰り広げます。
その中で重要視されるのが、それぞれが、組織の目的達成に貢献しようとする奉仕の精神であると思います。
そもそも、組織や個人が、自らの利権や効用目的だけで行動することは許されるものではありません。
翻せば、組織や個人の利権や効用が、他の組織や個人に対して損害や危険を与える可能性もあるということです。
つまり、奉仕の精神とは、組織に属する個々が、その組織や属する人たちにとって望ましい行動をすべきという考えです。
ボーイスカウト運動と聞くと、キャンプなどの野外活動をイメージされる方が多いかと思います。
実際、私自身も多くのキャンプを体験することで心身共に成長できたと思います。
しかし、それ以上に、貴重な体験だったのが奉仕活動です。
街頭に立って、声がかれるまで呼びかけた様々な募金活動。
お祭りなどのイベントにおける運営協力活動。
高齢者施設に慰問しての様々な活動。
亡くなった母は、私がボーイスカウトに入団したことに刺激を受け、ガールスカウトの指導者となり、特に晩年は奉仕活動がライフスタイルとなっていました。
前出のハイ工場長のメッセージです。
「小学低学年の子供たちを担当しているため、まずは楽しんでもらえるようにゲーム、絵画、キャンプなどの活動を中心としています。
そこから、ゴミ拾い、さらにはリサイクル活動で得たお金で恵まれない子供たちのために教科書を購入しての提供、植林や橋を架けるための支援プロジェクトにもなど様々な奉仕活動にも参画しています。
私にとって、ボーイスカウト運動を通して、将来ある子供たちと共に、社会に貢献できていることは幸運であり誇りです。」
奉仕活動は、出来る、出来ないではありません。
無理なく出来ることから、参画することが大切だと考えます。
今後も会社として、個人として、ボーイスカウトの ちかい と おきて を反映させた奉仕活動を実践して行きたいと思います。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長