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コラム

安全衛生「腰痛」

  • 2021.09.03

|安全衛生

 

 

※出典:厚生労働省 2019年国民生活基礎調査

高度経済成長期の日本は、多くの大規模工事や生産技術の革新による労働環境の変化も相まって、多くの労働災害を発生させるに至りました。

昭和44年(1969年)、当時の労働省の方々が中心となり、専門家を交えて法令の整備に取り組み、昭和47年(1972年)に成立したのが労働安全衛生法です。

労働安全衛生法は「職場における労働者の安全と健康を確保」すると共にに、「快適な職場環境を形成する」目的で制定されました。

 

健康の対義語として使われるのが、病気かと思います。

この場合、外傷のイメージがないかと思いますが、当然ながら外傷を負うことも健康を阻害する要因となります。

 

例えば、国民病と言われるほど有訴者が多いのが腰痛です。

病気や外傷による自覚症状の調査では男性1位、女性の2位が腰痛となっており、誰もが経験しうる身近な症状です。

 

腰痛は病名ではなく体に表れる症状の名前です。

具体的には、大きく特異的腰痛と非特異的腰痛に分類されます。

 

特異的腰痛とは、痛みの原因箇所が特定できる重度の腰痛であり全体の約15%にあたります。

代表的には、椎間板ヘルニアや高齢者に多い腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症などが挙げられます。

これらはいずれも背骨の神経(脊髄神経根)が圧迫されて痛みが起こり、圧迫がひどいときには、脚の筋力低下やしびれを伴います。

決して油断することなく、専門医の診察を受けて治療すべき腰痛です。

 

ここでは、軽度の腰痛にあたる非特異性腰痛に関して取り上げてみたいと思います。

 

健康の大切さ

 

 

|腰痛の原因

 

国民病と言われるほど有訴者が多いのが腰痛ですが、その約85%は原因を特定できない非特異性腰痛です。

現状は、腰への負担が引き金となって起こる(病気というほどではない)脊椎の不具合か心理的ストレスが関係する脳機能の不具合で起きると考えられています。

 

労働災害で見た場合、職場環境によって発症する人が非常に多く、報告の6割以上が腰痛であるとの報告もあります。

そのため各職場で従事する社員から腰痛の原因に関してヒアリングし、3つにまとめてみました。
(1) 重いものを持ちあげるなど身体に負荷がかかる業務

製品に重量物が多いことから、当然、業務の中で重量物を持ちあげる作業が発生しがちです。

例えば、製品の荷造りやリース工具の管理を行う発送グループやリース工具のメンテンスを行う工具グループは、重量物の扱いが多くなってしまいます。

重量物を持ちあげる時に腰に負荷がかかりすぎると、ぎっくり腰になってしまう可能性があります。

 

(2) デスクワークや長距離運転など同じ姿勢を取り続ける業務

同じ姿勢をとり続けるような業務も腰痛の原因となります。

職場でも多く、デスクワークをしている人や長距離運転がそれにあたります。

また、状況によっては、中腰のまま作業せざるをえない場合もあります。

長時間中腰や猫背などの姿勢を続け、腰や背中の筋肉が緊張し続けたとき、運動不足で腰を支える筋力が弱っているときなどに起こります。

寒さで筋肉が硬直する冬も神経が刺激されて痛みが起こりやすくなります。

これは股関節やその周辺の筋肉の柔軟性が失われてしまうことが一因であると考えられています。

 

(3) ストレスのかかる業務

少々、意外かもしれませんが、ストレスが原因で腰痛になることもあると報告されています。

腰痛の原因が精神的なものとが考えにくいため、原因を特定できないまま悪化させてしまう場合もあるようです。

また、ストレスは精神的なものばかりではありません。

疲労が蓄積することで、身体に対するストレスが筋肉などの柔軟性を損ない腰痛の発生につながる場合もあるようです。

 

労働安全衛生法

 

 

|腰痛の予防と対策

 

企業にとって労働安全衛生法の観点からも「長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止」や「労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策」は義務であり、社員に対して腰痛の予防と対策も日頃より促しております。

今回は、その様な状況から普段、どのような予防や対策をしているのかを社員たちからヒアリングしてまとめてみました。

 

(1) 姿勢の改善に気をつけること

・同じ姿勢が長時間続かないように、こまめに姿勢を変えたり、簡単な体操をしています。

・設備の段取りをするときなども、無理な姿勢にならないように注意する。
・長時間の自動車の運転では、定期的な休憩をしている。

・ 中腰、前かがみなど不自然な姿勢をなるべくとらないようにしている。

・30分に1回は腰を回したり体を伸ばすなどストレッチをしている。

・良い座姿勢(あごを引く・ 背筋を伸ばす・ 腰と脚の付け根が直角になるように深く座る)を意識している。

・悪い座姿勢(猫背・ 背もたれに寄りかかる・ 腰を反った姿勢)をしないようにしている。

・職場で、ラジオ体操を実施しています。

 

(2) 腰に負担のかかる業務で気をつけること

・重量によっては一人で移動をさせず、2人で移動させる。

・重量物に限らず、軽量物でも無理な体制で持つことが無いようにしている。

・重量物を持つときは出来る限り腰を落として、直角に持つように心掛けている。

・キャスターやリフターを使い、腰に負担をかけないようにしている。

・腰痛予防のサポートベルトをしている。

・急な動作、腰の不意なひねりを避け、動作時は視線も動作に合わせる習慣をつけている。

 

(3) 適度運動を心がけている

・水中でのウォーキングは、水の抵抗で筋力がつき、浮力により腰への負担が軽くなります。

・ヨガはポーズや呼吸によって全身をリラックスさせると共に骨盤や背骨の歪みを正すことにより、筋肉をほぐす効果も期待できます。

・ハイキングやウォーキングは、ハイキングは楽しみながら長時間の全身運動ができるため、続けることで血行が良くなり、腹筋や背筋なども鍛えることができます。

・温めのお風呂に入ることでリラックスできたり、筋肉をほぐすことで腰の負担を癒せます。

 

(4) 生活習慣の改善

・仕事ではストレスが溜まりがちですので、プライベートではストレス発散や溜めない環境作りを意識しています。

・喫煙も腰痛の原因になると聞いたので、現在は、禁煙しています。

 

ヒアリングの結果、腰痛の予防のためにストレッチをして予防をしている方が多くおり、様々なストレッチがあることがあることがわかりました。

それぞれに合わせて予防をしていくことが重要です。

 

腰痛は私たちにとって身近な症状のひとつになってしまっており、とても一般的な症状であるため、ともすれば軽く考えてしまいがちです。

しかしながら、長引く腰痛は健康や生活に影響するだけでなく、重篤な病気のリスクが潜んでいます。

普段の対策をおこない、腰痛を発症させない、悪化させないように適切な対策やケアをこれからも実施をしていきます。

 

メンタル「ストレスとの付き合い方」

 

 

  佐野 裕(Yutaka Sano) 管理部 部長


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