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コラム

マネジメント「カイゼン活動」

  • 2019.03.06

|マネジメント

 

その時は、最善策と考えられたことが、一瞬で、陳腐化してしまう程の激動の時代です。

それ故に企業は、その目的や目標を達成させるためにマネジメントを機能させなければなりません。

 

そのために代表的なマネジメント手法が、マネジメントサイクルとも呼ばれるPDCAサイクルです。

PDCAとは、[Plan(計画)]、[Do(行動)]、[Check(検証)]、[Act(実行)]の頭文字とったものです。

 

そもそもの計画(P)は、仮説の上に成り立っています。

実行(D)は、計画(P)を検証(C)するために行われます。

正しい検証(C)は、計画(P)に基づいた行動(D)があって成り立ちます。

そこから、改善して質の高い実行(A)に結び付けることが可能となります。

 

つまり、PDCAサイクルを回す度に、行動(D)・実行(A)の質は高まり、成功へと近づくこととなる訳です。

故に元に戻るサイクルではなく、スパイラルアップすることからもPDCAスパイラルと表現される場合もあります。

 

そのために改善のAをActではなく、調整のAdjust(調整)とする考え方もあります。

調整(A)では、問題点を改善するだけではなく、できたことの伸長案も考えて、次のサイクルでやるべきことを調整します。

正に、この調整(A)こそが、将来に向けてのマネジメントのポイントなのかと思います。

 

マネジメント「PDCAサイクル」

 

 

|カイゼンと改善

 

製造業において、一般的に使われる用語に「カイゼン」があります。

その原語は、「改善」です。

「改善」を検索してみると「悪い(劣った)ところを改めて、よくすること。」と出てきます。

対して、カタカナで表現される「カイゼン」にはどのような意味合いがあるのかです。

 

実は、「カイゼン」ですが、海外でも認められており「KAIZEN」と呼ばれて、多くの製造業で取り入れられているといいます。

しかし、「改善」なのであれば、「IMPROVE」などに訳して良いようなものです。

 

そもそも、「改善」とは、問題が発生する毎に、それを解決しようと取り組む事後行為です。

対して、「カイゼン」は、工場内で、常に作業効率や安全性の最善を追及する事前活動です。

また、その活動は、現場の作業者たちが中心となり知恵を出し合うこと点に特徴があることから、「改善」と区別されていると捉えて良いと思います。

 

単なる言語遊びと捉える方もいるかもしれませんが、組織においては、言語、特に共有すべき言語のあり方は重要です。

故に、カイゼンと改善の意味合いを明確に区分して共通言語として扱う必要があります。

 

コミュニケーション「共通言語」

 

 

|カイゼン活動

 

「カイゼン活動」の特徴は、その目標に限界はなく、常に最善を追及し続ける活動となります。

また、「カイゼン活動」の主体は、カイゼンですが、当然ながら「改善」も含まれています。

 

1.標準

 

「カイゼン活動」を推進する上で必要不可欠なのが「標準」の設定です。

 

「標準」とは、現時点で最善とされる方法や条件のことであり、決して、「現状」を意味するものではありません。

PDCAサイクルであれば、「計画(Plan)」にあたるのが「標準」です。

代表的な「標準」といえば、ST(標準作業時間:Structure of Standard Time)が有名です。

 

ベンカンとしては、「TOC(制約理論)」を導入して「標準」を導き出します。

具体的には、スループット(売上・利益)を基準に、在庫および経費の割合です。

まだまだ、試行錯誤ではありますが、これを定着させたいと考えています。

 

とにかく「標準」である「計画(Plan)」が設定されているからこそ、PDCAサイクルが回せます。

 

「標準」と「現状」と比較したギャップが可視化され、目的を持った「実行(Do)」をすることが出来ます。

また、その結果(成果・失敗)と「標準」を比較して検証(Check)することで、改善(Act)あるいは、調整(Adjust)につなげることが可能となるといえます。

 

そのため、「標準」を設定する際には、関係者にその概念を理解、納得してもらうことが非常に重要となります。

また、現場の当事者意識を高めるためにも「標準」の設定検討段階から関係者を関与させることが必要です。

 

マネジメント「TOC(制約理論)」

 

 

2.標準を目指したKPI

 

設定された「標準」である状態を安定してキープできる状態である「あたりまえ化」の状態を追及します。

まず、「現状」と「標準」のギャップを可視化させ、その問題原因を仮説を含めて具体化させます。

 

問題原因を具体化させることで、その原因を解消するためのKPIを設定します。

KPI(Key Performance Indicator:キー パフォーマンス インジケーター)とは、「標準」を達成するため「実行(Do)」を5W2H(6W3H)で、具体的な指標とすることが重要です。

指標とすることで、仮説であろうが、すべきことが具体化され、やり切ることが可能となります。

 

KPIをやり切った上で「結果」と「標準」のギャップを「検証(Check)」することで、KPIを見直しての新しい「改善(Action)」の実行につなげることができます。

また、「改善(Action)」だけで留まらせるのではなく、良いところの伸長行動やまったく切り口を変えた取り組みを取り入れる意味で、「調整(Adjust)」と捉えることも重要となります。

 

マネジメント「ロジックツリー」

 

3.標準の進化

 

「現状」と「標準」のギャップを解消するためのPDCAサイクルを回し続けることで、「標準」の「あたりまえ化」は必ず実現できるはずです。

 

しかし、それで留まることなく、常により上の「標準」を設定してそれを目指すことで、現場を更に進化させることができます。

また、自分たちの現場だけを見ていても内向的な考えから、高い「標準」の設定に抵抗感が発生する場合もあります。

 

その際に有効なのが、他の現場や社外の「ベンチマーキング」も有効な取り組みとなります。

「ベンチマーキング(benchmarking)」とは、自らの組織にとって規範となる他の特定組織の優れた技法、手法、過程などを「あるべき姿=ベンチマーク」として捉え、それを真似る経営手法です。

 

しかし、最初から高すぎる「標準」を設定するのではなく、「現状」を把握した上で、どのレベルの「標準」を目指すべきかを協議して設定することが大切となります。

 

「カイゼン活動」を世界的に普及させたのは、日本の自動車メーカーであるとされています。

様々な学ぶべき取り組みがありますので、同じ日本の製造業としてベンチマーキングしてみることも大切だと思います。

 

マネジメント「ベンチマーキング」

 

 

|組織力の強化

 

「カイゼン」と「改善」の最も異なるところは、組織力の強化なのかもしれません。

そもそも「カイゼン活動」で掲げられる「標準」は、個人の努力だけで「あたりまえ化」できるようなものではないからです。

 

現場全体の価値を高めるための活動である以上、現場を構成する組織全体で取り組まなければ「あたりまえ化」は無理です。

場合によっては、他部署の理解と協力も必要となってきます。

 

その意味でも、まずは、組織の道徳的な習慣づけとして、「5S活動」を徹底しています。

 

「整理」=必要がないモノを捨てる

「整頓」=必要なものモノを決められた場所に配置することで、取り出しやすい状態にする

「清掃」=作業を終えたらキレイにし、すぐに使える状態にすること

「清潔」=キレイな状態を維持すること

「しつけ」=以上の決められたルールや手順を守り習慣づける

 

以上の5つの頭文字を評したのが5Sであり、その定義となります。

つまり、組織をあげて取り組むことで、職場内から無駄なモノや時間を無くし、秩序を生み出すものといえます。

 

実際、道徳的な「5S活動」で培った組織で具体的な「カイゼン活動」を実施することによって、TOC(制約理論)に基づいた成果を高め、顧客に価値をご提供できるようになれば、自ずとスループット(売上・利益)が増えてくる。

このロジックの元で、マネジメントを推進して参ります。

 

組織「5S活動」

 

 

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  我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) ico_sns_facebook  代表取締役社長

 

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