マーケティング・ミックス(4P)
- 2012.12.10
|マーケティング
社会には、様々なニーズが散在しています。
そして、それらのニーズを満たすために存在するのが組織です。
組織は、共通の目的を持った人たちで形成されており、企業も組織の一つです。
企業にとっての目的とは、「顧客の創造」であると言われています。
この成果を上げることの出来る企業が社会に存続できることになります。
企業に限らず、組織に成果をもたらす機能をマネジメントといいます。
そして、それを提唱されたドラッカー氏は、その著書の中で、マーケティングとイノベーションの重要性を指摘されています。
イノベーションとは、新しい価値を創造することで、顧客の新しい満足を創造することと言えます。
対して、既存の価値とは、維持は出来ても、最悪、その価値は劣化してしまう可能性すらあります。
よって、マーケティングとは、既存の価値の切り口を変えることで、その価値を高めることであると考えます。
ドラッカー氏曰く、「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」と示しています。
日本の代表としては、理央 周 氏が、その著書である「なぜか売れるの公式(2014年)」の中で、「自然に売れる仕組みをつくること」と定義されています。
|マーケティングプロセス
既存の価値の切り口を変えることで、自然に売れる仕組みをつくるためには、この掴みどころのない状態から、如何にして戦略を具体化させるかが重要となります。
そして、そのための基本的な手順がマーケティングプロセスです。
[1.環境分析] → [2.ターゲット市場の選定] → [3.マーケティングミックスの最適化]
まず、[1.環境分析]によって、様々な切り口から事業およびマーケティングに影響を与える様々な要因を把握します。
外部環境に対するマクロ分析であるPEST分析。
外部環境と自社の内部環境の関係を分析するミクロ分析である3C分析。
特殊な切り口では、5つの力分析やSWOT分析などがあります。
それぞれの分析手法には一長一短があるため、決して偏ることなく、様々な手法で分析することが重要となります。
次の[2.ターゲット市場の選定]では、市場をセグメンテーション(Segmentation)で大枠で細分化し、目標とする対象市場を選定するターゲティング(Targeting)をします。
そして、その対象市場において競合を意識しながら自社独自の価値(バリュープロポジション)を明確にできる位置づけを見極めるポジショニング(Positioning)をします。
そして、マーケティングにおいても代表的なフレームワークでもある[3.マーケティングミックスの最適化]のステップに進みます。
しかしながら、注意したいのは、このプロセスは決して一方通行ではないということです。
場合によっては、[1.環境分析]や[2.ターゲット市場の選定]に立ち返ることも、不思議ではありません。
|マーケティング・ミックス
マーケティングで重要なのが、対象市場において、自社独自の価値(コアコンピタンス)を、誰に、どのように提案し、それを望んでいただくかです。
マーケティング戦略を立案する上で、大切になるのが、[①何を]→[②誰に]→[③どうやって] の順序が大切になります。
まず、最初の[①何を]においては、自社独自の価値(コアコンピタンス)を具体化させる必要があります。
次に、その価値を[②誰に]対して提案すべきかを仮説で良いので設定しなければなりません。
そして、最後が[③どうやって]提案するのかを具体化させます。
そのための代表的なフレームワークが「マーケティング・ミックスの最適化」です。
マーケティング・ミックスですが、各戦略のイニシャルをとって、4Pとも称されます。
1.製品戦略(Product):機能、デザイン、品質、種類、特徴、ブランド、大きさ、重さ、パッケージなど
2.価格戦略(Price):販売価格、割引・セール価格、支払い条件、取引条件、還元価格、価格条件など
3.流通戦略(Place):販路形態、在庫、発送、代理店制度、立地、店舗形態など
4.プロモーション戦略(Promotion):販売促進、広報、広告など
マーケティングミックスで重要な捉え方がミックスであるということです。
決して、それぞれの戦略を単独で検討するものではありません。
例えば、製品戦略であれば、その中に価格施策、流通施策、プロモーション施策が組み込まれ、整合性が取れていることが重要となります。
更に、それらの整合性を確認するならば、異なる切り口の戦略で、製品戦略を検証してみることも必要かと思います。
場合によっては、戦略の立案手順とは逆の[③どうやって]→[②誰に]→[①何を]の手順で検証することも大切です。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長