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コラム

マーケティング「プロダクト ライフ サイクル」

  • 2018.11.15

|製品戦略

 

マーケティングで重要なのが、対象市場において、自社独自の価値(バリュープロポジション)を、顧客に、どのように伝え、満足を得て行くかです。

つまり、顧客満足(CS:Customer Satisfaction)を得るために、様々な切り口で分析したり、評価、検証を繰り返して、戦略を立案しなければなりません。

 

その戦略の代表的なフレームワークが、マーケティング・プロセスの最終局面となるマーケティング・ミックスの最適化です。

マーケティング・ミックスですが、各戦略のイニシャルをとって、4Pとも称されます。

 

1.製品戦略(Product):機能、デザイン、品質、種類、特徴、ブランド、大きさ、重さ、パッケージなど

2.価格戦略(Price):販売価格、割引・セール価格、支払い条件、取引条件、還元価格、価格条件など

3.流通戦略(Place):販路形態、在庫、発送、代理店制度、立地、店舗形態など

4.プロモーション戦略(Promotion):販売促進、広報、広告など

 

特に製造業にとっては、製品戦略が重要視されることは間違いがありません。

また、ミックスとなっていることでも理解できる通り、製品戦略であれば、その中に価格施策、流通施策、プロモーション施策が組み込まれ、整合性が取れていることが重要となります。

 

マーケティング「製品戦略」

 

 

|プロダクト ライフ サイクル

 

発達心理学者で、精神分析家のエリク・ホーンブルガー・エリクソン(米, 1902年 – 1994年)は、その著書の中で人生(ライフサイクル)を乳児期、幼児期初期、幼児期、学童期、青年期、成人期初期、成人期、老年期の8つの段階に分け、それぞれで解決すべき課題(発達課題)があるとしました。

その人間のライフサイクルを製品に例え、製品には必ず寿命があるという前提に立ち、製品は生まれて死んで行くものした考えが「プロダクトライフサイクル(Product Life Cycle)」です。

 

「プロダクトライフサイクル」においても、ライフサイクルと同様に段階分けがされます。

一般的には、「①導入期」→「②成長期」→「③成熟期」→「④衰退期」という4段階に分けられます。

 

更に細分化する考えとなれば、「成長期」を前期と後期に分けたり、「成熟期」と「衰退期」の間に「飽和期」を加える場合もあります。
これらを表現する上で、縦軸を売上高、横軸を時間(タイムライン)とします。

 

 

 

 

(1) 導入期

 

「導入期」は、これは新しい製品を市場に投入した直後です。

人間で言えば生まれたばかりですの乳児期ですので、売上高は低い状況です。

また、自立できるようになるまで育むことが必要となり資金も掛かりますので、利益はほとんどないか、マイナスになる場合も少なくありません。

この時期にすべきことは、市場の拡大と、それを支える体制の整備です。

市場の拡大には、イノベーター理論の「普及率16%の理論」の如く、「イノベーター」と呼ばれる革新者と「アーリーアダプター」と呼ばれるオピニオンリーダーに普及させることが重要視されます。

特に他の消費者層への影響力が強いとされる「アーリーアダプター」に購入していただき高い評価を得ることが、今後の製品の成長に大きな影響を及ぼすとされています。

そのためにもマーケティングでは、認知度を高めるための販売促進活動が重要となります。

また、この時点で信頼を損ねるようなことになれば、普及の障害となってしまいます。

例えば、QCDDMと呼ばれるQuality(品質)、C0st(価格)、Development(開発)、Delivery(供給)、Management(経営)の体制整備が重要となります。

 

(2) 成長期

 

導入期のマーケティング活動で「アーリーアダプター」から高評価を得て、最も消費者層の厚い「アーリーマジョリティー」、「レイトマジョリティー」に普及に繋げることが出来ると急激に売上高が成長し、利益もピークに達します。

翻せば、「アーリーマジョリティー」、「レイトマジョリティー」に普及させることが出来ない製品は、ここで撤退となります。

資金は、知名度を上げるためよりも、自社の生産体制や広告体制を整備するために多くかかなければならず、それを怠ると成長させるビジネスチャンスを逃しかねません。

但し、この時期になると、導入期にはほとんど存在しなかった競合他社も増え始めます。

市場規模も安定し出すことから、マーケティングの目標は拡大というよりはシェアを意識した市場浸透策を講じることになります。

具体的な製品戦略は、差別化した多角化アイテムや機能の追加が検討されます。

販売価格の過当化も始まり、導入時の販売単価からやや低くなるケースも出てきます。

供給面での問題は、販売量の拡大に伴い選択的な閉鎖型の流通だけでは供給が安定しなかったり、消費者に行き渡らない可能性も出てきます。

極端なケースだと電子商取引(EC)も含め、開放型に進むことになります。

販促活動では、知名度を高めるために明け暮れた導入期と異なり、より機能的であったり、実用的な特徴の強調や拡散が重要となります。

 

(3) 成熟期

 

売上規模がピークに達した「成長期」から、市場への新規参入する競合他社も増加し始め「成熟期」になると市場規模は完全に頭打ちとなります。

その市場で各社が売上拡大を目指すことは、シェアの奪い合いを意味することであり、販売価格の値下げ過当競争が激化するレッドオーシャン状態となります。

反面、製品のコモディティー(汎用)化は、製造原価など資金調達を抑える効果もあるため、利益は、ピーク時から徐々に低下するようになります。

生き残りを模索する企業は、海外生産などで製造原価を削減して低価格競争に対抗したり、ブランディング策や製品やサービスなどによる差別化策で利益確保を目指したりします。

 

(4) 衰退期

 

製品がその「プロダクト ライフ サイクル」で最後に迎えるのが「衰退期」です。

「成熟期」で市場内のシェア獲得を模索した企業も、市場規模そのものが縮小し出すと売上が低下し、事業を継続するための利益の確保が困難となります。

また、買い替え需要性の高い製品ならともかく、そうでなければ普及が飽和状態となると需要は減少して行きます。

結果、需要と供給のバランスが保てなくなり、供給側の撤退が始まることになります。

特にこの市場でシェアの大きかった企業にとっては死活問題とも言えます。

実際、カメラがデジタル化することで、フィルム業界が消滅したように、環境が変わり市場自体が縮小したり消滅してしまうケースも少なくありません。

 

マーケティング「イノベーター理論」

 

 

|製品戦略への落とし込み

 

プロダクト・ライフ・サイクルの段階分けチャートにすると概ね次のようになります。

 

 

企業が事業規模を維持、拡大するためには、複数の製品を持つ必要性があると「プロダクトライフサイクル」を通して理解できます。

しかしながら、各製品に投じる資金などの経営資源は限られています。

そのために各製品が、「プロダクトライフサイクル」のどのフェイズにあるかを把握して、どの様な投資を行うべきかを、「市場成長率」と「市場シェア」によって大きく4つに分類したのが、「プロダクト ポートフォリオ マネジメント」です。

 

①スター

市場のシェアが高い上に、今後も市場規模の拡大が期待される花形製品。

売上高や利益は高いが、同時に成長を促進させるために多くの経営資源の投入を必要とします。

「プロダクトライフサイクル」では、成長期の製品に該当します。

 

②金のなる木

一定規模に成長した安定市場にあって安定したシェアを確保している製品。

売上高が高く、多くの経営資源も必要としない。

「プロダクトライフサイクル」では、成熟期の製品に該当します。

 

③問題児

まだまだ市場規模が小さく売上高は低いが市場規模が大きくなる可能性も売り上げ急成長する可能性も秘めている。

しかし、そのためには多くの経営資源を投入する必要があるため、利益は出ないかマイナスの場合もある。

このまま経営資源を投入し続けてスターに育てるのか、あきらめて撤退するのか悩みの多い文字通りの問題児の製品。

「プロダクトライフサイクル」では、導入期の製品に該当します。

 

④負け犬

「プロダクトライフサイクル」では、導入期と衰退期の製品が考えられます。

企業に一定の利益を齎しながらも、その製品寿命を終えようとする「衰退期」の製品。

「導入期」の段階で負け犬なのであれば、この製品を導入した経営判断の誤りなのではないかと考えられます。

 

何事も同様ですが、理論は、過去の傾向から導き出されたものであり決して万能ではありません。

この「プロダクトライフサイクル」とて同様で、例えば製品によって、10年のものもあれば、50年、100年のものもあります。

また、それぞれの期の長さも製品によって異なります。

大切なのは、この過去の理論を利用して、対峙する実際の環境分析により、最適なマーケティングミックスを講じることなのだと考えます。

 

マネジメント「マーケティング」

 

 

 

  我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) ico_sns_facebook  代表取締役社長

 

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