経営「マネジメント」
- 2020.09.24
|経営
企業は、社会的機関の一員です。
そのためには、企業にとって、社会的な責任を果たすのは義務です。
翻せば、社会的な責任を果たせない様な企業は、社会における存在意義(パーパス:Purpose)がないともいえます。
それは、企業である以上、まずは、事業を通じての存在意義の創造です。
そして、企業には、その事業を通してだけではなく、事業以外の部分でも持続的な社会の発展に自主的取り組むべきCSR(社会的責任:Corporate Social Responsibility)が求められるようになっています。
また、企業に関わらず、SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)への貢献が求められる時代でもあります。
それらを考えると、ESG経営が企業経営には絶対条件となってきます。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を意味します。
気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題が顕在化している中、企業が長期的成長を目指す上で重視すべきESGの観点での配慮ができていない企業は社会から存在意義を認められないという考え方です。
CSR、SDGs、ESGなど様々なキーワードが飛び交いますが、この中で、如何なる経営方針を打ち出すかも重要視されていると捉えております。
|マネジメント
経営戦略では、多くの良質な経営資源を確保したら事足りるものではありません。
何故なら、その質、量、バランスなど状況によって異なるからです。
例えば、人材ですが、組織を構成する一人一人が、同じ目的を共有していても、それを実現させるための方法論は、個人それぞれです。
また、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。
その様な状況下にあって、組織をして成果をあげさせるための取り組みがマネジメントです。
マネジメントの提唱者であるピーター・ドラッカー氏は、その著書である「マネジメント 基本と原理」の中で、「マネジメントは、組織に特有の使命、すなわち、それぞれの目的を果たすために存在する。」と示しております。
また、組織である企業にとっての目的は「顧客の創造」であると断言されています。
そのため企業は、社会における存在意義を高めるためにも、提供できる価値、顧客が望んでいる価値、そして、競合他社が提供できない価値であるUSP(Unique Selling Proposition)を顧客に訴求しなければなりません。
マネジメントを機能させ、それぞれの長所を活かし、それぞれの欠点を補い合いながら、USPを創造し、顧客を創造し続けることが大切となります。
マネジメントとは、企業が、その目的を果たすため、あるいは、そのステップである目標を達成するために必要不可欠なものです。
そのために、経営資源であるヒト、モノ、カネ、情報などの異なる形のたくさんのピース(要素)をハメ合わせて、大きなパズルを完成させるようなものなのかと考えます。
もちろん、そのパズルは、事前に答えが用意されている訳ではないことはいうまでもありません。
ドラッカー氏は、「組織のマネジメントとは、凄い人材を入れることや改新的なサービスを導入する事のように思われているが、一番重要なのは、今ある人材と資産で何ができるかを考えることである」と示しています。
|マネジメントの機能
ドラッカー氏は、企業のマネジメントには、持つべき機能が必要であり、それはマーケティングとイノベーションであるとしています。
マーケティングですが、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、自然と売れる仕組みづくりであるといえます。
しかし、それを営業の一環とだけ捉えてしまっては、ドラッカー氏の提唱した機能の一部でしかなくなってしまいます。
何故なら、USPは、営業だけで創造できることではないからです。
その過程で、製造、管理、品質、技術、開発など様々な部門との連携の必要性が浮き彫りになるはずです。
更に、先行きの見えない、変化の激しい現在では、既存のUSPの価値が長く続くものではありません。
それ故に、企業は、常に新しいバリューポジションを創造し続けなければなりません。
その新しいバリューポジションを創造することがイノベーションとの呼べるかと思います。
マネジメントにおいて、既存価値をマーケティングで高め、新しい価値をイノベーションで創造することを繰り返し続けることが重要な機能なのだと思います。
そして、何事にもいえますが、機能や仕組みなどの理論だけで成果は上がりません。
つまり、マネジメントには、その機能を下支えする組織力が不可欠です。
目的や目標には、必ず、現状とのギャップが生じるはずです。
つまり、このギャップが問題であり、それを解消するために課題を掲げ取り組むことになります。
例えば、PDCAサイクルは、組織力を機能させる上では、マネジメントの代表的な手法であると思います。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長