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コラム

マネジメント「戦略人事」

  • 2012.12.10

|経営戦略

 

人が社会やコミュニティ、または個人の特定ニーズを満たす上で、一人で成し遂げることができることには限界があります。

そのために目的を共有した人たちで構成されるのが組織であり、企業も組織です。

企業は、その目的を果たすために、経営理念に基づいた戦略を立案し、それに沿って事業活動を推進します。

 

そして、それらの活動には、資金調達、販売、人材管理、経営管理などの諸々の力の集合体である経営資源が不可欠となります。

経営資源を提唱したエディス・ペンローズによれば、企業の成長に限界が来るのは物理的な制約からではなく、相対的に経営資源が不足するからと示しています。

その経営資源ですが、一般的には、「ヒト」、「モノ」、「カネ」といった有形資産と 「情報」 といった無形資産の総称となります。

 

例えば、「ヒト」で捉えた場合、一人一人が、同じ目的を共有していても、それを実現させるための方法論は、個人それぞれです。

また、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。

これは、他の経営資源にも同じことが言えると思います。

 

経営戦略では、多くの良質な経営資源を確保することが重要です。

また、確保ばかりしても活用しなければ宝の持ち腐れです。

故にマネジメントでは、それらの経営資源を如何に活用してバリュープロポジションともいえる顧客ニーズに応えた他社にはできない差別化価値を生み出すことが重要視されます。

それは、まるで、異なる形のたくさんのピース(要素)をハメ合わせて、大きなパズルを完成させるようなものです。

 

【移設】経営「経営資源」

 

|戦略人事

 

経営資源のなかでも、筆頭の「ヒト」、つまり人事の重要性が高まっています。

 

従来型の人事とは、労務・法務などの制度やマニュアルなどのオペレーション業務ばかりに固執した保守的、定型的な前例主義、あるいは後方支援的な活動がほとんどでした。

また、発展的な「人事戦略」といえども、やはり、従来の人事の範疇だけで成果を上げる取り組みとなっていました。

 

対して、現代は、変動的で不確実、さらには複雑で曖昧な環境であるといわれています。

当然のことながら、経営戦略においても、その環境変化への対応力が求められています。

 

故に、今後は、経営戦略に深く関わり、その実現に寄与する「戦略的人的資源管理」が重要視されています。

これは、1990年代にアメリカの経済学者であるデイブ・ウルリッチ氏が提唱し、既に欧米では多くの企業が取り入れている考え方です。

 

現在の人事的な問題や課題は、労働力不足、技能継承、組織力の向上、マネジャー育成、スキルアップ、コミュニケーション、人的生産性の向上など多岐に渡ります。

 

よって、ベンカンでは、デイブ・ウルリッチ氏が提唱された「戦略的人的資源管理」を参考としつつ、独自に「戦略人事」として掲げて次の様な課題に取り組んでおります。

 

(1)経営戦略

環境変化に対応する経営戦略を随時共有することで、それを反映させた戦略的な人事を遂行する。(HRBP)

(2)適材適所体制

経営戦略を遂行するためのマネジメントが機能する適所となる組織づくりと、適材といえる人材の配置を行う。

(3)人材開発

経営戦略および組織戦略に基づいた適材となる人材(経営幹部・マネジャー・スペシャリストなど)の育成を行う。

 

マネジメント「戦略」

 

 

|適材適所体制

 

組織形態は様々ありますが、ベンカンでは、その規模からしても、一般的な機能別組織(あるいは職能別組織)を布いております。

例えば、営業、生産、技術、管理などのように機能別に部署を分けた組織です。

 

一般的に組織の縦割り問題が指摘されることがあります。

本来は、同じ目的を果たすための組織の一員であるはずが、組織を縦割りすることで、干渉し合わなくなり、セクショナリズム、そしてエゴイズムが生じてしまうことです。

 

また、従来は、年功序列的な人事の弊害から、勤続年数の長い社員が管理職になる傾向がありました。

結果的に、マネジメントとして機能しない管理職の存在が明るみになり、それがボトルネックにもなっていました。

 

そこで、ベンカンが目指す適所である組織の形態は、マトリックス組織と呼ばれるものです。

基本的には、機能別の組織形態ですが、縦割り組織の弊害を生み出さぬように、それぞれを横ぐしで通す機能を設定するようにしております。

まず、経営会議と呼ばれる組織は、役員と各職能別部署の部長が所属し、互いの取り組みを共有し合う関係を構築しています。

この経営会議によって、決して、部署間でのセクショナリズムが生じない体制を目指し、それを維持させます。

また、案件毎にタスクフォース的な部署横断型の委員会やプロジェクトチームを発足させ活動を促す様にしています。

 

また、組織を横割りで見た場合に、ヒエラルキー組織とフラット組織があります。
ヒエラルキー型組織とは、社長、部長、課長、スタッフというように階層構造になっている組織形態のことです。
対してフラット組織とは、極端には社長の下は横一線のスタッフとなる組織形態となります。

 

ベンカンでは、元来、ヒエラルキー組織でした。

しかしながら、マネジメントを統率する管理職が多すぎることで、決済スピードが落ちていました。

また、一般職が、判断を管理職に委ねるために、自律性がなかなか生まれませんでした。

 

そこで、現在は、組織のフラット化を目指しています。

フラット組織の象徴としては、2014年にフレデリック・ラルー氏が発表したティール組織があります。

その定義は、社長やマネジャーがマイクロマネジメントをしなくても、スタッフ個々が自分たちのルールや仕組みを理解して、目的のために独自に工夫し、意思決定することで組織の目的を果たせる組織といえます。

 

組織の理想は、このティール組織なのかもしれません。

しかし現状は、ヒエラルキー組織のトップダウンマネジメントと、ティール組織のポトムアップマネジメントの良いところを融合させた複合組織を目指したいと考えております。

フレデリック・ラルー氏の考え方であれば、ティール組織寄りのグリーン組織になろうかと思います。

 

まず、必要以上に増えてしまった課の統合などを行うことによって、多かった管理職の圧縮を進めました。

これによって、各組織に適材といえるマネジメントを職務とした管理職を配置することができました。

現在は、管理職に対して明確な、マネジメントのエンパワーメント(権限委譲)を実行できるようになり出しています。

結果、経営や各部署の意思が統制が取れた形で、現場に対してトップダウンできるようになりました。

また、管理職を減らすことで、一般職に対しての権限委譲も進み、その自律を促せるようになってきております。

 

【移設】マネジメント「適材適所」

 

 

|人材開発

 

マトリクス組織や組織のフラット化は、一般職のジンザイ育成にも効果があると捉えています。

それによって、一般職の現場単位で発生する機会や問題に対して、直接、対峙する機会を与えて行きます。

加えて、若手人材中心の一般職に重きを置いたフラット組織だけでは難しい点も無視できません。

そこで、従来は、横一線で参加を義務付けていた教育から、各自が自分の選択で自由に参加できるキャリアアップ研修制度を実施しております。

 

その上で、次世代を任せられる適切なマネジャーたちを適所に配置することこそ重要であると考えております。

また、労働力不足が問題視される時代では、経験値の高いベテランやシニア人材が持ち得た能力を活かせるような組織づくりも絶対に必要です。

そして、全社員に対しては、環境の変化に対応するために新たなスキルを身に着けることであるリスキリングが求められます。

リスキリングとは、環境の変化に合わせ職務に必要とされるスキルも変化する中で、それに適応するために必要なスキルを獲得することです。

 

また、ベテラン人材に対しては、経験値が高いだけに、間違いなく能力が高いはずです。

しかし、そのベテランの適所を誤ると、その高い能力を発揮できない環境になってしまいます。

そのため、管理職、若手、ベテランに関係なく幅広い世代に向けたコンピテンシー評価制度シニア人材の力を有益に活用できる人事制度などを運用しております。

 

その他、企業の理念や提供価値を浸透させるための経営理念勉強会などの社員教育、フリーヒアリングなどを徹底させて、インターナルブランディングの強化にも努めて行きたいと考えております。

 

戦略人事「キャリアアップ教育制度」

 

 

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  我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) ico_sns_facebook   代表取締役社長

 

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