マネジメント「会議のあり方」
- 2018.12.26
|マネジメント
企業には、特有の目的を果たすことによって、社会において存在することの意義が求められます。
そのために、ヒト、モノ、カネ、情報などの様々な経営資源を活用することとなります。
それぞれの経営資源は、それぞれのメリットを活かし、それぞれのリスクを補い合いながら、PDCAサイクルを回すなどして、効率的に成果に結びつける必要があります。
この様な、企業の目的を果たすための機能のことをマネジメントと言います。
経営資源に、カネがあります。
時は、カネなりとの諺(ことわざ)もある通り、時間も重要な経営資源となります。
特に現代では、労働力不足や残業削減などの影響から、限られた時間内で、案件に対して必要な成果を出す必要性が高まっています。
その意味でも時間管理が重要視されています。
費用対効果のコスパ(コストパフォーマンス)に対して、時間対効果のタイパ(タイムパフォーマンス)が流行語となるくらいです。
タイパを意識して改善することで、マネジメントの機能が高まるだけではなく、働き方改革の一助にもなると考えられます。
|会議の意義
マネジメントを機能させる上で、組織内の情報共有は重要です。
情報共有には、様々な手段がありますが、代表的なのが会議です。
社内では会議を「会して議する。議して決する。決して実行する。」と定義づけております。
会議は、出席者を拘束することになりますので、その時間を有益に活用することが重要となります。
例えば、会議の冒頭で、その開催主旨を説明する様だと、非常に不効率な会議となってしまいます。
ポイントとしては、事前に、議題を提起して、考えをまとめさせた上で、出席を求めることが大切かと思います。
場合によっては、シュートミーティング、電話、Eメール、グループウェアなどで可能な範囲の意見交換を事前に行っておくのも有効です。
そうすることで、会議では、最低限の拘束時間で結論を出せるはずです。
また、会せずとも、資料を読めば分かるような一方的な報告などは会議の場では避けるべきです。
実際、報告ばかりの会議なのであれば、開催しない方が得策です。
そして、最も重要なのは、会議は、マネジメントを機能させる場であるということです。
「会して議する。議して決する。決して実行する。」ですが、俗に言うマネジメントサイクル、つまりPDCAサイクルそのものであるとも言えます。
会議では仮説を含めた具体的な結論(5W1Hなど)を行動に移すためのものでなければなりません。
結論の出せない会議は、会議ではありません。
また、前回の会議を受けての行動結果を検証し、次の行動に移すためのものである必要もあると考えます。
|価値のある会議
二元論者にかかれば、会議は、必要なもの。
あるいは必要のないものと白か黒で決めつけられてしまいかねません。
会議は、情報を共有して、より高い価値を生み出す上で、有効な場であると考えます。
しかし、それは、あくまでも定義である「会して議する。議して決する。決して行動する。」が守られてのことです。
逆に「議することのない会議」、「結論を出せない会議」、「決めても実行を伴わない会議」は、百害あって一利なしの必要のないものです。
「脱会議(発行:日経BP社)」の著者である横山信弘氏は、その中で、「脱会議とは、会議の数と会議の時間と会議の参加者のそれぞれを2分の1に削減し会議総コストを90%削減させること」と提唱されています。
また、会議総コスト(費用)対効果、つまり、コストパフォーマンスだけではありません。
先述の通り、会議とは、参加者の貴重な時間を拘束することでもあります。
よって、投じた時間に見合った価値を生み出す時間対効果、つまり、タイムパフォーマンスも重要です。
現在、会議は、1時間以内の開催を基本としております。(超過が必要な会議は事前申告)
事前に、決議しなければならない議題を事前に明確にし、参加者が共有することを求めています。
また、30分以内の会議は、ミーティングと称するようにして、15分以内で終了することを目標にしています。
会議の開催頻度は、極力、抑えさせていますが、ミーティングの開催頻度には制限を求めていません。
脱会議を実行するということは、翻せば、価値のある会議の定義を明確化させ、具体的に、その様な場をつくることが大切です。
価値ある会議が何かが明確になれば、自然と必要のない会議が可視化され、脱会議化が進むと考えます。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長