プレゼンテーション能力の向上
- 2016.05.10
|コミュニケーション
企業とは、何らかの目的を果たすために、一人で成し遂げることができることには限界があるための組織です。
マネジメントのドラッカー氏曰く、企業の目的とは、「顧客の創造」であるといわれています。
つまり、企業においては、「顧客の創造」を果たすために個々が目的を共有し、その達成に貢献する意欲を持っていなければなりません。
そのために個々が協力関係を持ち行動に移す必要がありますので、常に適正なコミュニケーションが取れていることが重要となります。
また、企業が「顧客の創造」を果たすためには、顧客に対して製品やサービスの価値を認めていただき、購入という行動をしていただく必要があります。
更には、企業は、社会組織の一員でもありますので、企業の社会的責任(CSR)として、SDGs(持続可能な開発目標)などを通したコミュニケーションも深めて行かねばなりません。
つまり、企業には、その内部、そして外部である顧客・業界・コミニティーなど、更には社会も含めて、それぞれとの適正なコミュニケーションが求められていることになります。
|プレゼンテーション
優れたコミュニケーション
とは、人から人に知覚、感情、思考などの情報が正確に伝わることと解釈されます。
しかしながら、単に情報が伝わるだけで、目的を果たすことはできません。
つまり、こちらの情報を正確に伝えることで、その価値を理解していただき、何らかの行動を執っていただくことが重要となります。
しかしながら、優れた意見が必ず認められるとは限りません。
そこは、あくまでも機械ではなく、個々に異なる感情や価値観を持った人だからこそ容易なことではありません。
そもそも人は、感情の動物であり、故に、その時の状態次第で感情が優位な思考に働くことが少なくありません。
結果的に、人間関係で「省略」、「歪曲」、「一般化」が生じるとミスコミュニケーションとなり、自分の主張を理解してもらうことができなくなります。
その意味でも、特別のコミュニケーションの機会であるプレゼンテーションの場を創ることは、有効かと思います。
プレゼンテーションの目的は、前出の通り、こちらの情報を正確に伝えることで、その価値を理解していただき、何らかの行動を執っていただくことです。
プレゼンテーションのイメージで多いのが、パワーポイントで見栄えの良い資料を使った説明会であることです。
しかし、勘違いしてならないのは、パワーポイントはあくまでのツールでしかありません。
例えば、社内研修「絶対達成プログラム」で講師としてお招きしたアタックスセールスアソシエイツの横山信弘先生、山北陽平先生は、パワーポイントを一切使わず、ホワイトボードに書き込むことで、参加者である営業スタッフの行動に高いプレゼンテーションされています。
しかしながら、コロナ禍となって、オンラインによるプレゼンテーションの機会が増えています。
そうなると、やはりパワーポイントは便利なツールになることは間違いありません。
大切なのは、どの様な資料やツールを使おうとも構いませんが、プレゼンテーションの目的を見失ってはならないということです。
|プレゼンテーションの型
ベンカンにおけるプレゼンテーションの基本型は、ロジカルシンキングを意識した「ホールパート法」となります。
まず、主張(ホール:Whole)を伝えてから、その論拠(パート:Part)を伝えるというシンプルなものです。
この「ホールパート法」を忠実に実践できるようになると、主張と論拠を意識せざるを得なくなります。
また、手順がパターン化されているために、シンプルでコンパクトな情報となるために受けてにとっても理解し易くなります。
樹木に例えます。
まず、主張である「幹(目標)」を宣言します。
この主張が相手の行動を促す価値のあるものでなければ、そもそもプレゼンテーションは成立しませんので明確に宣言することが大切です。
次に、その「幹(目標)」を裏づける論拠である「枝(アクションプラン)」を3つに分けて報告します。
ここで、敢えて3つに定量化するために受け取る側も全体像を把握し易くなります。
そして、論拠の詳細である「葉(具体的行動)」を説明します。
最後に再確認の意味で、もう一度、主張である「幹(目標)」を宣言して締めます。
尚、習慣化させる意味でも、全社的に朝会などの場を活用して、ホールパート法による2分間スピーチを実践しています。
今後も社内外のコミュニケーション強化の意味でも、プレゼンテーション能力の向上に努めてまいります。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma)
取締役 最高執行責任者(COO)兼 執行本部 本部長