マインド「アンガーマネジメント」
- 2022.06.06
|マインド
現代では、様々な場面でメンタルあるいはメンタルやマインドという言葉が使われています。
これほどまでに注目されているのは、成長するためであったり、目的や目標を達成する上で欠かせないものだからです。
例えば、目標を達成するためには、経験に裏付けられた知識や技術などが必要ですが、最終的には、メンタル、そして、そこから確立された強いマインドが欠かせません。
メンタルとは、心や精神そのものではなく、そこに関連する心理状態や調子ですので、その時々で、好不調があるのが当たり前です。
失敗ばかりを繰り返すことで自暴自棄になってしまうと、精神的にマイナスな状態に陥ります。
メンタルがこのような状態だと、ネガティブとなり、何をしても良い結果が得られなくなります。
対して、成功が続いていることで、何をやっても上手く行くような精神的にプラスな状態の時もあります。
この状態であれば、ポジティブとなり、何をしても良い結果が得られる可能性も高まります。
まず、如何にして、メンタルをプラスの状態に保てるかが重要となります。
そして、そこから確立されるのが徹底して取り組むための信念であったり価値観であるマインドとなります。
|怒りの感情
メンタルを不安定にする要素の一つに怒り、あるいは苛立ちがあります。
そもそも怒りとは、喜怒哀楽という言葉がある通り、人間が本来もっている自然な感情表現のひとつです。
故に、怒りの感情がない人はいないでしょうし、それをなくすことも不可能なのかと思います。
その対象は様々です。
例えば、コロナ禍や災害などのやり場のない怒りがあります。
また、思うような成果の出せない不甲斐ない自分自身への怒りもあるかと思います。
しかし、現代社会で最も多いとされるのが、人間関係による他人への怒りです。
それでは、なぜ、怒りの感情が出てしまうのかです。
それは、自分の価値基準に対して、対象が応えてくれない場合に出てしまうといえます。
つまり、自分の理想と現実のギャップに対する不満が怒りとして出てしまうのです。
しかし、前出の通り、人間は怒りを無くすことはできません。
対して、近年は「キレる」で象徴される通り、怒る行為が社会問題にもなっています。
それらは、その主張に論理性がなく、感情任せに自己主張した怒りであるラジカルフィードバックと呼ばれる傾向のものです。
このような行き過ぎた感情的な人は、本人のメンタル不調あるいは、偏ったマインドを形成してしまいます。
|アンガーマネジメント
怒りの感情を適切にコントロールすることで問題解決を図るスキルとして、アンガーマネジメントがあります。
アンガー(Anger)とは、怒りや苛立ちといった感情のことです。
もともとはDV加害者や軽犯罪者に対する矯正プログラムとして、1970年代にアメリカで開発されたと言われており、今では広く一般的に使われています。
アンガーマネジメントは、怒りの感情をなくするためのものではありません。
翻せば、怒るべきときは、適切に怒る必要があります。
怒るべきときは、自己満足の感情任せではなく、論理的に感情をコントロールして説きながら諭すことで、相手を良い方向に導いてあげることが大切です。
さらに、その状況で当事者以外の周囲にストレスを誘発させないことも大切です。
また、怒るべきではないときには、感情任せに抑えると自分自身に必要以上のストレスが溜まることになります。
よって、その場合も、論理的に、怒らないことを納得することが大切となります。
感情任せに怒りを露わにする人は、その捌け口を周囲の人に向けることになります。
組織の中に、こうした人が一人いると周囲の人たちが強いストレスに晒されて、結果、パワーハラスメントの温床、コミュニケーションの低下、業績の悪化につながります。
このような傾向から企業においても、アンガーマネジメントを導入事例が多くなっています。
特に改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が、2022年4月より企業に対して全面施行されています。
これによって、企業は職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが義務となっております。
特に部下を持つ管理職には、怒りの感情を適切にコントロールできるスキルが求められます。
アンガーマネジメントですが、私は、1度、セミナーを受講しました。
冒頭では、自身の怒りの感情が、どの様なものかを知るためのセルフチェックを行いました。
それを理解した上で、自分の感情に支配されない様に、怒りの量をコントロールするスキルを習得します。
また、怒りの感情を出した場合でも、相手や職場の仲間に対して、必要以上のストレスを誘発させないような論理的な対象法を実践できるよう学びました。
結果的に職場のコミュニケーションを円滑にし、働きやすい職場をつくることが目的のセミナーでした。
多くの関連するセミナーが開催されていますし、多くの書籍も出版されていますので、学んでみるのも良いかと思います。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma)
代表取締役社長