マーケティング「パーソナルブランディング」
- 2012.12.26
|マーケティング
マーケティングとは、商品やサービスを販売する取り組みであるセールス(営業)とは異なり、自然と売れる仕組みを構築する取り組みです。
故に、マーケティングの理想は、セールスなしで売れることともいえますし、実際に成り立っているビジネスモデルもあります。
しかし、現実は、マーケティングで売れやすい状態をつくり、セールスでクロージングするのが一般的な流れになろうかと思います。
マーケティングの考え方の中で、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理状態のプロセスを法則化したものがあります。
代表的な「AIDMA(アイドマ)モデル」は、「Attention(注意)」、 「Interest(興味・関心)」、「Desire(欲求)」、 「Memory(記憶)」、「 Action(行動)」の頭文字を取ったものです。
また、これらは、「認知段階」、「感情段階」、「行動段階」と大きく3つに分類されます。
「認知段階」では、消費者に対して、その商品やサービスを「Attention(注意)」を引くかが重要となります。
次に「感情段階」では、その商品やサービスを顕在的および潜在的に必要としているターゲットユーザーに「Interest(興味・関心)」を持っていただき、「Desire(欲求)」を高め、「Memory(記憶)」していただくことが重要となります。
そして、最終的な「行動段階」、つまり購入に至ることになります。
このプロセスを基準にするのであれば、それに当てはまったマーケティングを行う必要があります。
|ブランディング
AIDMAの法則の中で、消費者に「Memory(記憶)」していただき易くする仕組みがブランディングです。
記憶には、それを司る脳を基準とした「外部記憶」と「内部記憶」があるとされます。
つまり、「外部記憶」とは、脳の中にない記憶であり、「内部記憶」とは脳の中に蓄積された記憶です。
ブランディングとは、商品やサービスあるいは、それらを扱う企業の情報を「内部記憶」に留めさせることです。
さらに、「内部記憶」には、「短期記憶」と「長期記憶」があるといわれています。
「短期記憶」は、比較的短い、秒単位の時間しか保持されない記憶です。
対して「長期記憶」は「短期記憶」に比べて長い時間保持されますが、なかなか思い出す(想起)ことが出来ません。
そのためブランディングは、「内部記憶」のメカニズムに則って、如何にして消費者の短期記憶に長く留めていただくための取り組みとなります。
そもそも、ブランド(brand)という言葉は、昔、家畜の所有者を明確にするために着けた焼き印を押すことを意味する「burned」に由来するといわれています。
つまり、曖昧ではなく、独自に訴える明確なアイデンティティー(独自性)を持ったブランド化することが大切です。
例えば、ベンカンでは、「ステンレス配管のベンカン®」をブランドとして掲げて訴求させていただいております。
これによって、ステンレス配管といえば、ベンカンを一番最初に思い出して(第一想起)いただけることを目指しております。
|パーソナルブランディング
ブランディングですが、何も商品やサービスあるいは企業だけのものではありません。
例えば、パーソナルブランディングです。
パーソナルブランディングとは、個人が属する企業や組織などのイメージ向上を目的として個人をブランディングすることです。
単なる知名度ではなく、本人のアイデンティティー(独自性)を認知されて支持されることを可能にするものです。
それは、決して、個人をよく見せるための取り組みではなく、自分の魅力を理解されやすく明確に伝えることが大切です。
つまり、他者とは違う自身の持っている魅力、強みなどを理解していただくことで、個人の存在価値を認めていただき、結果、支持していただき易くなります。
例えば、スーパーで販売されている野菜売場に、作り手の農家の方々の写真とメッセージが添えられている場合があります。
これもパーソナルブランディングの一種であると捉えております。
作り手の顔と考えが見えることで、より野菜に対する魅力を感じることができると思います。
ベンカンにおいても積極的にパーソナルブランディングを展開しております。
あくまでも社員の同意を取ってとなりますが、ホームページやSNSを多用して積極的に社員を登場させております。
また、社長である我妻も率先して、Twitterを運用したり、ホームページのコラムやFacebookの投稿を頻繁に実施しております。
是非、今後も人の見える企業であるベンカンを宜しくお願い致します。
※パーソナルブランディングに似たものにセルフブランディングがありますが、これは、企業や組織に属しない個人が自らをメディア化するなどでプロモーションすることですので異なるものです。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長