マネジメント「断捨離」
- 2021.05.28
|マネジメント
マネジメントとは、組織が、その目標を達成するために必要な機能と捉えるべきです。
組織とは、同じ目的を持った人たちの集合体ではありますが、それを実現させるための方法論は、個人それぞれです。
また、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。
それ故に、組織の存在意義を高めるためにも、マネジメントを機能させ、それぞれの長所を活かし、それぞれの欠点を補い合いながら、より大きな目標を達成させることが大切です。
そのマネジメント手法の代表的なものが、PDCAサイクルです。
PDCAとは、[Plan(計画)]、[Do(実行)]、[Check(検証)]、[Action(改善)]の頭文字とったものです。
そもそもの計画(P)は、仮説の上に成り立っています。
実行(D)は、計画(P)を検証(C)するために行われます。
正しい検証(C)は、計画(P)に基づいた実行(D)があって成り立ちます。
そこから、質の高い改善(A)の実行に結び付けることが可能となります。
つまり、PDCAサイクルを回す度に、実行の質は高まり、成功へと近づくこととなる訳です。
故に元に戻るサイクルではなく、スパイラルアップすることからもPDCAスパイラルと表現される場合もあります。
しかしながら、検証(C)で躓き、なかなかPDCAを滞らせてしまう方が少なくありません。
その多くが、計画(P)の段階での固定概念の強さではないかと思います。
結局、それが足枷となり、なかなか正しい検証(C)が出来ずに足踏み状態が続いてしまうのではないかと考えます。
|断捨離
断捨離とは、要らないモノを捨てる片付け術的に捉えられています。
しかし、提唱者の沖正弘氏は、不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとするヨーガの思想とされています。
「断捨離」は、ヨーガの3つの行法と関連しているようです。
1. 断行:入ってくる不要な物を断つ。
2. 捨行:不要な物を捨てる。
3. 離行:物への執着から離れる。
そもそも、沖氏は、物を捨てずに溜め込む性格の方が、それを片付けるために収納家具を買い足しては部屋を狭くし、片付かない、家が狭いと嘆く自業自得の姿に疑問を持っていたそうです。
そここら、ヨーガを通じて「断捨離の思想」に行き着いたのだそうです。
ビジネスにおいては、断捨離することで、3つの「キドウ」性を高められるといいます。
(1) チャレンジする際のスタートダッシュをかけるための「起動」
(2) 身動きが取りやすい環境をつくるための「軌道」
(3) フットワーク軽く仕事をするための「機動」
これは、製造業にとっては、整理、整頓、清掃、清潔、躾である5S活動にも通じる考えかと思います。
執着と固定概念
人には、誰にでも、現状を現状のまま維持したいと思う無意識の欲求(現状維持バイアス)があるのだといいます。
すると、無駄なモノであるにも関わらず、必要なモノであると固定概念が凝り固まってしまいます。
結果的に、それに執着して断つことができません。
如何にして、この執着を解き、固定概念から解放するかが大切になってきます。
断捨離には、凝り固まってしまった心を開放し、身軽で快適な生活と人生を手に入れようとする思想があるようです。
PDCAサイクルにおける 計画(P)は、仮説の上に成り立っていることを忘れてはなりません。
その仮説である 計画(P)に執着し続けていたら、いつまで経っても正しい 検証(C) をすることが出来ません。
計画(P)に基づいて、実行(D)すれば、何らかの結果が出ます。
そこを固定概念を持たずに、まずは、一旦、断捨離する。
それによって、正しい 検証(C) をすることができるはずです。
そして、可視化された問題原因であったり、新しい課題によって、今後の改善(A)すべき方向性が見えてくるのではないかと思います。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長