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コラム

マネジメント「ランチェスター戦略」

  • 2017.01.15

|マネジメント

 

企業には、特有の目的を果たすことによって、社会において存在することの意義が求められます。

そのために、ヒト、モノ、カネ、情報などの様々な経営資源を活用することとなります。

 

しかしながら、それらの資源には、多能な要素があります。

例えば、人材であれば、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。

それ故に、それぞれのメリットを活かし、それぞれのリスクを補い合いながら、効率的に成果に結びつける必要があります。

 

目的を達成するために指数化したのが目標(KGI:Key Goal Indicator)です。

そして、それを達成するための戦略といえるのKSF(Key Success Factor)であると位置づけています。

よく、戦術と混同される場合がありますが、戦術は戦略を遂行するためのKPI(Key Performance Indicator)と捉え明確に区別すべきです。

 

「戦術の失敗は戦略で補うことが可能だが、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」とも語られる通り、「戦略」なくして、「戦術」もありません。

 

現代は、VUCA環境とも例えられるように、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)な時代です。

この様な環境下で、企業において、あらゆる状況に当てはまる万能な戦略などあり得ません。

ケースバイケースで、環境を分析して、どの様な戦略を立案するのかが重要となります。

 

経営「マネジメント」

 

 

|ランチェスター戦略

 

戦略と言えば、今から2,500年前に書かれたとされる「孫子の兵法」が有名です。

そして、それまでの実戦を元にした定性的な戦略に、科学的な理論を加え体系化させた近代戦略の先駆けが「ランチェスター戦略」だと言えます。

 

第一次世界大戦の頃、戦闘機の開発に従事していたイギリス人エンジニアであるF・W・ランチェスターは、戦闘機が戦争の成果にどのように影響するものか興味を持ちます。

そして、定量的、統計的、数学的に研究を重ねて約100年前(1914年)に導き出されたのが「ランチェスターの法則」であり、現代の経営やマーケティングにも活用される「ランチャスター戦略」の原点となっています。

 

「ランチェスター法則」には、2つの法則があります。

 

まず、「第一法則」とは、一対一が戦うイメージから一騎討ち戦とも称されます。

その他、狭い範囲で戦う局地戦、敵と近づいて戦う接近戦など、原始的な戦いの場合に適用します。

 

戦闘力 = 武器効率 × 兵力数

 

武器効率とは、槍や刀に対して鉄砲、鉄砲に対して大砲などのように優れた成果を上げる武器のことをいいます。

つまり、戦闘力は、優れた武器を持っている方か、兵士の数が多い方が高いということになります。

 

次に「第二法則」は、近代兵器を使って戦う確率戦と称されます。

近代兵器は、無差別に攻撃を受けることから、損害は確率的な発生となるためです。

戦いそのものの規模が大きく、広い範囲で戦う広域戦、敵と離れて戦う遠隔戦の場合に適しています。

 

戦闘力=武器効率 × 兵力数の2乗

 

この「ランチェスターの法則」を現代の経営やマーケティングにも活用する場合は、市場のシェア(占有率)が指針をなります。

例えば、シェアの大きな大企業を「強者」、小さな中小企業を「弱者」と分けて戦略として応用します。

 

マネジメント「戦略」

 

 

|強者の戦略・弱者の戦略

 

一般論として、市場で支配力を握る強者の大企業が、弱者である中小企業に勝つことは当然の結果とも言えます。

実際、その場合は、「ランチャスターの法則」を用いたか用いないかは別として、結果的に「第二法則」での戦いになっているとも言えます。

 

「第二法則」では、武器効率が同等なら、兵力数が多いほうが圧倒的に有利になります。

この場合の武器効率とは商品力であり、兵力数とは販売力となります。

 

中小企業が開発してヒットさせた商品を、大企業が後発で模倣(ミート)した製品を販売して、圧倒的な販売力の差で、その市場を奪い取ってしまう事例は少なくありません。

戦国時代であれば、徳川家康は、敵の倍の兵力で勝利を収め続けたとされています。

 

逆に弱者である中小企業が、強者である大企業と戦う場合には、「第一法則」が適応される戦い方に持ち込む必要があります。

しかしながら、「第一法則」でも、兵力数が多い方が有利であることは、「第二法則」と同じです。

そのため、強者側の兵士が1人で複数の兵士を攻撃できないような局所状況を作ることで、兵力の劣る弱者にも勝ち目が出てくると言うことになります。

 

分かりやすい事例ですと、戦国時代の「桶狭間の戦い」です。

永禄3年(1560年)5月、尾張に侵攻する今川義元の軍勢2万に対して、織田信長の軍勢は5千程でした。

第二法則からしたら、織田軍に勝ち目はありません。

しかし、戦いの場と選んだのが、縦に細く窪地である桶狭間でした。

結果、第一法則を適用させることが出来た弱者である織田軍が勝利を手にすることができました。

 

また、織田信長は、兵力数の少なさを武器効率で補ったともされています。

つまり、刀、槍、騎馬隊に対する鉄砲隊の存在でした。

 

実際のビジネスでは、広域の市場では1位になれずとも、切り口を変えることで、1位になれるニッチ(局所)領域で戦いを挑む方が有利になります。

これは、「アメリア・イアハート効果」とも呼ばれるものです。

 

大企業は、その大きな資本力であるが故に、ニッチ過ぎて獲得できる利益も大きくなければ動くことができません。

また、大企業がニッチ市場に対して、将来性を見越して参入してきた場合を想定したら、大企業では模倣できない様な優れた武器(製品・サービス・技術など)をもって、1対1の接近戦を目指します。

つまり、弱者の戦略の基本は、強者に差別化できる武器(製品・サービス・技術など)を育み、ニッチな市場で戦うこととなります。

 

マーケティング「アメリア・イアハート効果」

 

 

 

  我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) ico_sns_facebook  代表取締役社長

 

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