マネジメント「ウイニング・エッヂ理論」
- 2015.05.10
|マネジメント
何事においても、漠然と取り組んで成果を上げることは不可能です。
そもそも、成果を上げようとするのであれば、基準となる目的が必要です。
そして、その目的を達成させるために、具体的に何をするのかです。
それは、組織は当然ながら、個人においても同様です。
組織なり、個人なりが持ち得た能力を如何にして発揮して、目的を達成するための行動に結び付けさせるかが重要となります。
もちろん、目的を達成させるには、現在、持ち得た能力だけでは不足している可能性もあります。
そうなれば、時間軸で考えた取り組みも必要になって来ようかと思います。
また、既存の価値観だけで目的や取り組みを考えると、成果の真価が見えない場合もあります。
それらは、まるで、様々な異なる形のたくさんのピースをハメ合わせて、大きなパズルを完成させるようなものです。
そして、それがマネジメントであると考えます。
|ウイニング・エッヂ理論
これは、私があるセミナーを受講する際に、その冒頭に教えていただいた考え方です。
競馬のレースで、1位と2位の差が、正に鼻の差の僅かであったとしても、その賞金の金額は10倍も20倍も違ってきます。
一見、僅かな差が、結果的には絶大な差として残るということです。
これを「ウイニング・エッヂ理論」といいます。
元々、個人の持っている基礎能力は、個人差はあまりありません。
しかし、その能力の活かし方、意識の差によって、成果は、10倍あるいは20倍と差が出てしまいます。
そう考えると、取り組む段階から、2位で良いと妥協してしまったら、結果的に大きな格差に甘んじることになりかねません。
また、ビジネスの成功は、「10%の専門知識と90%のコミュニケーション能力である。(by ブライアン・トレーシー)」とも教わりました。
そもそも、専門知識あるいは専門技術は、学習や体験によって積み重ねるものです。
しかし、それらを積み重ねることだけで、成果が高まるのかです。
よく、セミナーマニアと呼ばれる方がいます。
常に多くのセミナーに参加する訳には、成果は現れません。
同様に多くの書籍を読破する割には、成果が現れません。
何故かです。
知識や技術を蓄積しただけでは能力とはいえないと考えます。
それらを発揮してこそ初めてホンモノの能力であり、能ある鷹が爪を隠しっ放しでは、成果を高めることはできないのです。
では、どうすることで、発揮することができるのかです。
成果を出すために必要なあるポイントを認識して、学習したり、体験したり、実践すること。
それらの僅かな意識の違いで、成果・結果が大きく違うと言われています。
|切り口次第で価値は変わる
保守的な政権が交代した直後、新政権の施策で最も国民の注目を集めたものに「事業仕分け」がありました。
歳出削減を目指し、外部の視点を入れて国や自治体の事業のあり方を国会議員やシンクタンクのスタッフらが公開の場で高級官僚を問い詰めるシーンが印象的でした。
その中で、次世代スーパーコンピューター開発について、文部科学省などの担当者らが「世界一を取ることで(国民に)夢を与えるのは、プロジェクトの目的の一つ」と説明しました。
対して、「仕分け人」であった国会議員が「世界一になる理由は何があるんでしょうか?」と聞いた後、「2位じゃダメなんでしょうか?」と発言しました。
この様な費用対効果を論じる場に、夢という感情的なものを目的として掲げてしまったことも問題だったかもしれません。
また、「2位じゃダメなんでしょうか?」という発言も費用対効果を論じるには相応しくなかったのかと思いました。
しかし、前出のセミナーの教えのように、これもコミュニケーションと捉えたら成果に結び付けられると考えます。
徹底して継続し続けることなのかもしれません。
迅速な決断と行動力なのかもしれません。
誰も真似ができないような、奇抜なアイデアを出すことかもしれません。
曖昧で雑多なアイデアをカタチにできることかもしれません。
まずは、僅かでも良いので、2位に差を着けて前に出る意識を捨ててはならないと、あらためて思います。
しかし、現状維持が蔓延していた世の中に疑問を呈したという事実では、「2位ではダメなんですか?」は名言でした。
あらためて、2位でも良い切り口があるのではないかと投げかけてくれたと思います。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma)
取締役 最高執行責任者(COO)兼 執行本部 本部長