マネジメント「インターナルブランディング」
- 2012.12.10
|組織の三要素
人が個人で成せる事には限界があります。
そのために同じ目的を果たすために複数の個が集ったのが組織であり、その典型が企業です。
経済学者のC.I.バーナード氏は、組織をシステムとして定義し、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」としました。
そして、その成立のための条件として「組織の三要素」を示しております。
① 組織目的
参画する個々が、目的を共有していること。
② 貢献意欲
参画する個々が、組織の目的を達成するために、貢献しようとする意欲を持つこと。
③ 情報共有
参画する個々が、目的は当然ながら、常に適正な情報を共有すべくコミュニケーションがとれること。
如何にして、組織の目的を共有して、それぞれの組織に対する貢献意欲を高めるかが、組織発展のためには重要となります。
また、組織が大きくなれば、大きくなるほど、情報共有が難しくなってきます。
その仕組みをつくるかも重要になってきます。
|経営理念
組織である企業にとって共有しなければならない目的の象徴が経営理念です。
ベンカンにおける企業理念は、ビジョン、ミッション、バリューを中心に構成れています。
そして、組織の三要素からも、この組織の目的である経営理念を社員一人一人が共有して行かねばなりません。
ベンカンのミッションです。
現在だけでなく未来を考えた 配管の開発と供給を通して信頼ある ライフラインの構築をご提案します
このミッションですが、2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に共感する形で2016年に見直しています。
そして、このミッションを遂行することで実現させる目標がビジョンです。
社会における存在意義を高め〝サステナブル企業〟を目指します
つまり、ビジョンの実現に向けて 誠実に ミッション遂行に取り組むこと が私たちの行動指針であり、バリュー(価値観)であるといえます。
しかし、実際には、その企業で働いているからといって、すべての社員が共通の価値観を持っているとはいえないのが現実です。
如何に社員に対して企業の目的を認知させ、その価値観を共有させるかは、組織の力を左右させるものであり、経営にとって非常に重要なものであると考えます。
|インターナルブランディング
ブランディングとは、企業が顧客・消費者、つまり社外に向けて行うものです。
しかし、実は、企業の社内、社員に向けて行う活動もあり、それがインターナルブランディング(インナーブランディング)と呼ばれています。
例えば、前出のミッションを「持続性のある配管」を意味する「SUSTAINABULE LIFELINE®」とブランド化(商標登録済)させました。
これは、ミッションをシンプルにブランド化することで、社外だけではなく、社員個々へ浸透させ易くし、組織への貢献意欲を高めてもらうのが目的です。
ミッションを遂行する上で、価値観が低かったり、時代に合っていなければ、共有したところで、貢献意欲など高まる訳がありません。
また、企業理念が素晴らしいものであっても、受け入れるべき組織が硬直化し、社員が保守的になり、チャレンジ意欲を失っている状態ならば意味がありません。
そのため社員に対して、これらの背景にあるものを正しく理解してもらうための情報共有の機会として、「経営理念勉強会」を実施しています。
経営理念勉強会とは、経営から対象の正社員、継続雇用社員、契約社員と一部の派遣社員に対して、経営理念などを具体的に直接伝える場です。
1回 約90分の開催定員は、5〜10人を1回とし、 対象者には半年に1回の受講を義務付けております。
また、社員との1対1の面談である「1on1ミーティング」を実施しております。
ここでも、経営の考え方を伝えることも重要視しております。
尚、「経営理念勉強会」、「1on1ミーティング」とも、ベンカン・ベトナムにおいても、通訳を立てて、管理職などの選抜者を対象に実施しております。
社員たちにとっては、日頃、グループウェアや上長から伝えられた企業理念と擦り合わせを行い、より理解を深めたり、場合によっては解釈違いを正す場となっております。
今後も組織の三要素を常に最適化させるための取り組みとして、インターナルブランディングを継続して行きたいと思います。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長