マインド「損失回避の法則」
- 2018.08.30
|マインド
現代では、様々な場面でメンタルあるいはマインドという言葉が使われています。
これほどまでに注目されているのは、成長する上で欠かせないものだからです。
何事も成長するためには、知識や技術などが必要ですが、最終的には、メンタル、そして、そこから確立された強いマインドが欠かせません。
メンタルとは、心や精神そのものではなく、そこに関連する心理状態や調子ですので、その時々で、好不調があるのが当たり前です。
失敗ばかりを繰り返すことで自暴自棄になってしまうと、精神的にマイナスな状態に陥ります。
メンタルがこのような状態だと、ネガティブとなり、何をしても良い結果が得られなくなります。
対して、成功が続いていることで、何をやっても上手く行くような精神的にプラスな状態の時もあります。
この状態であれば、ポジティブとなり、何をしても良い結果が得られる可能性も高まります。
まず、如何にして、メンタルをプラスの状態に保てるかが重要となります。
そして、そこから確立されるのが信念であったり価値観であるマインドです。
|損失回避の法則
人の心理傾向を示したものに「損失回避の法則」というものがあります。
人は、利益と損失を天秤にかけた場合、利益を求めるよりも、損失を避ける方を選択する心理傾向です。
つまり、成長するためのポジティブな感情よりも、失敗した際のネガティブな感情の方が行動に及ぼす影響が強いということです。
結果的に、成長を求められても、現状を現状のまま維持したいという無意識の欲求でもある「現状維持バイアス」を生じさせてしまいます。
しかしながら、現代は、VUCA(ブーカ)環境と表現されたりもする通り、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(mbiguity)な経営環境にあります。
その経営環境下では、現状維持とは、衰退であり、損失を被ることであるといっても過言ではないと思われます。
まずは、この現実を理解することが大切です。
|損失の価値観
ことわざに「虎穴に入らずんば 虎子を得ず」があります。
その意味は、「危険を冒さなければ、望みのものは得られない」ことです。
とはいえ、生命の危険があるともなれば容易に虎穴に入ることはできないかと思います。
問題は、損失の価値観の違いなのかと思います。
つまり、利益と損失を天秤にかけるのではなく、チャレンジすることで失敗した時の損失と、チャレンジしなかったことで成果を得られなかった時の損失を天秤にかけるのです。
あとは、損失の大きい方を回避するための行動を取れば良いのです。
VUCA時代に現状維持では、それは衰退を意味することからも、多少の失敗を伴ってでも、成長に向けたチャレンジが必要です。
そのためにも組織においては、チャレンジに対する失敗を許せる環境をつくりメンタル的な不安を排除することが大切です。
但し、漠然と失敗を繰り返すことを許すことではありません。
そこは、PDCAサイクルを回すことで、カイゼンを繰り返して何度もチャレンジすることで、損失を穴埋めし、最終的には成長することが大切です。
この経験値を高めることで、成長するために、チャレンジしようとするマインドに変わって来るものと考えております。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長