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コラム

ステンレス配管への材料変更提案

  • 2020.07.07
  • カテゴリ:

 

|材料変更提案

 

現在の水道事業に使われている主な給水用の配管材料としては、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管、銅管、一般配管用ステンレス鋼鋼管等があり、なかでも一般配管用ステンレス鋼鋼管は衛生的で赤水や青水の心配がなく耐食性に優れているため、近年給水、給湯用配管材料として用いられています。

 

ベンカンでは、一般配管用ステンレス鋼鋼管に対応するプレス式、拡管式、ワンタッチ式の異なる接合方式の製品を取り扱っており、多くの案件でご採用いただいております。

 

改めて一般配管用ステンレス鋼鋼管の本質を十分認識した上で経済性、施工性などを勘案し、塩化ビニルライニング鋼管からの材料変更をご提案させていただきます。

 

 

|管種特性比較

 

まず一般配管用ステンレス鋼鋼管と塩化ビニルライニング鋼管の特性を比較します。

 

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管は各種塩化ビニルライニング鋼管よりも優れた特性を持っていることがわかります。

使用温度域が広く、最高使用圧力も塩化ビニルライニング鋼管の2倍です。

加工性は硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-VB、SGP-VA)が容易とする記載はありますが、耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-HVA)と比較してのことであり、多様なメカニカルジョイントにより容易な施工が可能な一般配管用ステンレス鋼鋼管が一般的に優れているとされています。

 

また、一般配管用ステンレス鋼鋼管は各種塩化ビニルライニング鋼管の約1/3の重量で、運搬や取り回しも容易となります。

 

 

 

 

|サイズダウンの検討

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管が軽量である理由は管肉厚が鋼管よりも薄いためですが、肉厚が薄いということは管外径が同じ場合、内径が大きくなることを意味します。

内径が大きいと当然管内を流れる水量を多くすることができますので、一般配管用ステンレス鋼管を採用する場合に管口径をサイズダウンしても流量を確保できる可能性があります。

 

逆に硬質塩化ビニルライニング鋼管は、鋼管の内面に塩ビをライニングしているので、鋼管よりもさらに内径が小さくなってしまうので流量は減ってしまいます。

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管(Su)と硬質塩ビライニング鋼管(A)の実内径

1)管内径比較

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管と硬質塩化ビニルライニング鋼管の実内径をサイズ毎に比較してみます。(右表)

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管30Suは管外径は34mmで、外径が同じである硬質塩化ビニルライニング鋼管の25Aと比較すると実内径は128%の大きさにもなります。

 

 

2)流速・流量検討

 

さらに、一般配管用ステンレス鋼鋼管は耐食性や耐キャビテーション性に優れているので、塩ビライニング鋼管より早い流速を採用することが可能です。(V=2.0推奨)

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管の内径が大きいこと、早い流速を採用できる特長はより多くの水を流せることになりますので、管口径サイズのサイズダウンの検討が可能です。

サイズダウンはコストダウンにも繋がりますので、ステンレス配管の優位性がより高まることになります。

 

 

 

|コスト比較

 

口径のサイズダウンの可能性も踏まえ、モデル配管を用いて硬質塩化ビニルライニング鋼管(VA、VB)と一般配管用ステンレス鋼鋼管にてコスト比較を行います。

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管の継手はセーフティ機能付プレス式継手「ダブルプレス」と比較対象の為に拡管式継手「BKジョイントⅡ」で比較します。

 

 

モデル配管

 

① 図中の黒数字、記号は一般配管用ステンレス鋼鋼管を示します。

② 図中の赤数字、記号は硬質塩ビライニング鋼管を示します。

③ 口径の選定は以下にて算出しています。

・一人当りの使用水量=250L

・一戸当りの人数=4人

 

 

この規模の建物では、水道用硬質塩ビライニング鋼管から一般配管用ステンレス鋼鋼管に材料変更をすると、最大3サイズのサイズダウンが期待できます。

・3サイズダウン:メイン配管 80A → 60Su(外径50A)等

・2サイズダウン:立管40A → 30Su(外径25A)等

 

 

 

 

上記のモデル配管を用いて材料を拾い出し、材料費(パイプ、継手)と工費をそれぞれ計算します。

(2020年7月比較したものです。)

 

 

① パイプ比較(定価比較)

 

 

一般配管用ステンレス鋼鋼管は継手の接合方式が異なっても同じである為、プレス式方式も拡管式も同額となり、VAの1/3以下、VBの1/4以下の金額となりました。

 

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VA)1,375,922円

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VB)1,632,260円

一般配管用ステンレス鋼鋼管(TPD)  398,154円

 

 

 

② 継手比較(定価比較)

 

 

 

パイプとは異なり、ステンレス鋼素材そのもののコストが反映されるため、一般配管用ステンレス鋼鋼管対応メカニカルジョイントは安価な「ダブルプレス」でもライニング鋼管用のねじ込み継手の倍以上の金額となりました。

 

 

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VA)   400,100円

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VB)   400,100円

ダブルプレス(SUSプレス式)     1,056,230円

BKジョイントⅡ(SUS拡管式)    1,728,350円

 

 

 

③ 材料費(①パイプ+②継手)比較

 

材料費コスト比較(定価)

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VA) 1,776,022円

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VB) 2,032,360円

一般配管用ステンレス鋼鋼管(ダブル) 1,454,384円

一般配管用ステンレス鋼鋼管(BKⅡ) 2,126,504円

 

パイプが安価なステンレス配管、継手が安価な塩化ビニルライニング鋼管の配管となりますが、パイプと継手を合計すると、「ダブルプレス」を採用することで、ライニング鋼管よりも安価に抑えることが可能であるという結果となりました。

比較するために加えた拡管式継手「BKジョイントⅡ」では塩化ビニルライニング鋼管の金額を下回ることはできませんでした。

 

 

 

④ 工費(国土交通省積算基準)

 

国土交通省積算基準に基づき、接合材や支持金物等の材料費に配管労務費等を加えて各管種毎に工費を計算します。

 

 

 

工費コスト比較

一般配管用ステンレス鋼鋼管は、各継手の専用工具を用いて容易な接合が可能なことから、塩化ビニルライニング鋼管のねじ込み接合作業と比較すると大幅に歩掛を省けることになります。

(接合方式に関わりなく歩掛が包括されているので、プレス式「ダブルプレス」と拡管式「BKジョイントⅡ」は同額)

 

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VA)1,565,050円

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VB)1,603,499円

一般配管用ステンレス鋼鋼管(TPD)  965,134円

 

参考

施工時間比較はコチラ(準備中)

 

 

 

 

⑤ 複合コスト比較(③材料費+④工費

 

 

材工合計コスト比較

材料費と工費を合計しコスト比較を行いました。

 

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VA) 3,341,072円

硬質塩化ビニルライニング鋼管(VB) 3,635,859円

一般配管用ステンレス鋼鋼管(ダブル) 2,419,518円

一般配管用ステンレス鋼鋼管(BKⅡ) 3,091,638円

 

今回のモデル配管においては、硬質塩化ビニルライニング鋼管からステンレス配管に材料変更をした場合、継手をセーフティー機能付プレス式継手「ダブルプレス」を使用することで30%以上のコスト削減が期待できることになります。

 

 

 

|まとめ

 

セーフティー機能付プレス式継手「ダブルプレス」

本件の比較において、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管を一般配管用ステンレス鋼鋼管に材料変更をすることの価値を示せる結果になりました。

 

また一般配管用ステンレス鋼鋼管対応の継手には、セーフティー機能付プレス式継手「ダブルプレス」を採用いただくことでその価値は大きくなります。

 

材料コスト、施工コスト、そして複合コストの有利性を最大限引き出せるのも「ダブルプレス」だからです。

 

 

 

 

 

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Yutaka Kakegawara


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