「NOK」様
- 2017.08.08
|ゴムシール材
ベンカンのメカニカルジョントの多くは、内蔵されたゴム材で流体をシールしています。
ベンカンと致しましては、100%内製化を目指しているものの、ゴムシール材に関しては、専業メーカー様に生産を委託させていただいております。
例えば、「NOK株式会社」様です。
「NOK」様は、国内初のオイルシールメーカーとして自動車業界をはじめとした多岐に渡る産業発展に貢献されております。
その始まりは、1939年、神戸の「町工場」だったとされます。
それから現代に至るまで、強みである高度なシール技術から生み出されるオイルシール、メカニカルシールをはじめとする機能部品(製品)、そして、それに関連する技術力、ノウハウによって信頼の高い企業として発展されました。
また、それらの得意分野をさらに磨きあげた新規事業にも取り組まれております。
例えば、国内初となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)付ガスケットの生産では、電子機器の小型・軽量化、高性能化に大きく寄与されたとのことです。
更に2004年からは、今後の安定的な発展を期した新たな事業として、主に複写機に使用されるロール事業にも進出されております。
|オープンイノベーション
先述の通り、ベンカンでは、100%内製化を目指しております。
しかしながら、ゴムシール材に関しては、専業メーカー様に委託するのは、配管におけるシール材の生産は、高度な技術やノウハウが必要であると自覚しているからに他なりません。
しかしながら、メカニカルジョイントのメーカーとして、シール材に関して放棄している訳ではありません。
「NOK」様が得意分野を活かした新規事業の取り組みをされているのと同様にベンカンもバリュープロポジションを活かした付加価値の拡大と創造に取り組んでおります。
ベンカンにおいては、開発部が、その先端部署でありますが、配管性能を左右するシール材の材質や形状、耐久性、汎用性など多岐に亘る課題が生じます。
この課題をベンカンだけでクリアできる訳ではありませんし、かと言って、専業メーカー様に丸投げする訳にも行きません。
そこで、「NOK」様の設計部の皆様とベンカンの開発技術部とで、オープン・イノベーションの機会を設けて、多方面からの技術上の意見交換をさせていただいております。
|ベンチマーキング
同じ製造業の立場としても、ベンチマーキングさせていただくべきところが多々あります。
特に興味深いのが、品質管理(QC)体制や検査体制です。
ゴムシール材は、ベンカンの製品以上に、寸法精度や素材管理が厳しい製品です。
その製品の品質管理を、人、設備、時間、空間で、徹底的に追及されておりました。
業界トップの要因がここにあることを感じ入りました。
加えて、「NOK」様の国内外で展開される大規模な事業場ネットワークには全く及ばないものの、ベンカンの製造体制も、国内のMJ工場と海外のベンカン・ベトナムとなっております。
複数拠点との連携、海外工場との連携や拠点間の強みを活かし合う手法は非常に参考になりました。
今後も、ゴムシール材の生産を委託するだけではなく、製造、開発あるいは、その経営手法も含めたベンチマーク的な存在として継続的なお付き合いをさせていただけたらと思います。
NOK株式会社
東京都港区芝大門1-12-15
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長