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コラム

ステンレス鋼の成分識別

  • 2016.08.22
  • カテゴリ: 知識|Knowledge

|ステンレス鋼とは

 

ナイフ・フォーク・スプーンステンレスは英語でstainless steelと言い、直訳すればステンレス鋼となり、これが日本での正式名称となります。

 

stainlessとは「さびない」と言う意味です。

厳密には「さびにくい」という意味も含まれます。

 

ステンレスは鉄(Fe)を主成分(50%以上)とし、クロム(Cr)を10.5%以上含むさびにくい合金で、他の材料に比較すると使用量が急激に伸び、その生産量をみると現在、国民一人当たり熱間圧延材ベースで年間30kg程度使用されるようになっております。

ステンレス鋼の使用量の増加は、その素材の持つ優れた特性による用途が拡大していることと、製造・加工技術の向上によるものと考えられます。

 

ステンレス協会のWEBサイトにより抜粋>

 

錆びにくいステンレス鋼の特性

 

|ステンレス鋼の種類

 

SUパイプステンレス鋼が錆びにくい特性を発揮できるのは、その表面にクロムを含む酸化膜「不動態被膜」を形成することに起因します。

また、一口にステンレス鋼と言っても、成分の含有比率や処理方法を変えることによって、様々な異なる特性を発揮します。

 

 

例えば、ベンカンのステンレス配管など住宅内の給水や給湯などの一般配管用に使われるオーステナイト系のステンレス鋼は、優れた耐食性(錆びにくい)があるのは当然ながら、延性および靭性に富むことから塑性加工に適した材質でもあります。

 

中でも、一般的な、SUS304の成分は、クロム(Cr)18%-ニッケル(Ni)8%を含有しています。

 

更により耐食性を高めたのが、SUS304にモリブデン(Mo)を2-3%添加強化したSUS316です。

モリブデンは、クロム族元素の1つであり、表面に形成された「不動態被膜」が傷ついたり破れたりした際に、そのクロム量を高め、被膜の再生力を強める働きがあります。

この耐食性を向上させる特性は、クロム濃度の約3倍の効果を持っていると言われています。

よって、このモリブデンを成分として含むことにより耐食性能がより強固なものとなるのです。

 

ステンレス鋼の種類

 

 

|種類・成分の識別表示の重要性

 

現在、ステンレス鋼は耐食性・耐熱性・美観等といった特性を活かし多種多様な分野・用途に使用されています。

しかし、ステンレス鋼だからと言って、どの様な用途にも使用して良いとは限りません。

正に適材適所、それぞれのステンレス鋼の特性に合わせ、適した用途に使用することで、その能力を最大限に発揮することになります。

 

そのためにも、その種類や成分などの正しい識別表示が必要となります。

ところが、ステンレス協会にて各種ステンレス製品の表示内容について調査した結果、一部の輸入品などの中には、紛らわしい表示ばかりではなく製品によっては、虚偽と思われるような表示もなされている場合もありました。

 

正しい識別表示がなされていないとステンレス鋼の特性を活かして正しく使用されない可能性が高まります。

また、ステンレス鋼は100%リサイクル可能な材料ですが、リサイクルを促進するためにも正しい識別表示が望まれるところです。

 

ベンカンの場合、例えば、モルコジョイントであれば、SUS316製品には、識別表記だけではなく視覚的にも判断し易いように青いマーキンが施されております。

 

本件を軽視すると、近年、社会問題にもなっている食品偽装、産地偽装などに通じる重大な偽装問題にも通じ、ステンレス鋼そのものの信用にも影響が出ます。

よって、ステンレス協会では、協会内は当然ながら、輸入品などの製品への水際の対策をしております。

 

「ステンレス協会」配管システム普及委員会

 

 

|成分識別検査および対策

 

成分分析機現在、ベンカンで扱うステンレス鋼は、オーステナイト系のSUS304とSUS316の二種類となります。

材料の受け入れの際は、そのロット毎に成分分析機にて成分識別検査を行い、材料の成分識別表示との照会を行います。

 

従来の化学分析における成分識別検査では、分析目的間の分離、あるいは分析目的元素と非目的元素の分離が最大の問題でした。

実際に、沈殿、ろ過、摘出、蒸発、蒸留などの前処理操作から分析時間が長くなるだけではなく、技能の熟練を要するために分析精度を低下させる要因となってしまっていたためです。

しかしながら、近年の機器分析法の発展は著しく、現在の発光分析法による成分分析機では、被検体をセッティングから20秒程度で多数の元素を持つ金属を固体のまま分析できる非破壊検査が可能となっています。

 

成分分析

▲成分分析後の被検体

ベンカンにおいても、この発光分析法の成分分析機を導入しております。

 

その原理は、金属に対電極の間でアーク、スパーク放電を行うことで、それぞれの成分の電子から光が放射される特性を利用して、その光を回折格子により分光させて、元素特有の原子スペクトル線を観測します。

そして、この元素特有のスペクトル線を確認することで金属の含有元素の定量値、酸化物表記、元素間比率などを測定するものです。

 

最近では、携帯型の成分分析機も開発されており、被検体である金属に先端部を押し当てトリガーを引くだけで各測定が可能であり、ベンカンでも簡易的な検査に活用するために導入しております。

 

 

反応後製造工程においても、仕掛品がSUS304とSUS316で混在することを防ぐための対策を講じております。

例えば、成分識別の方法として、受け入れ時に加工工程で消えることのないレーザーマーキングを施します。

 

また、加工の関係上、レーザーマーキングできない部材に関しては、先述の携帯型の成分分析機やモリブデンチェックなどを行っております。

モルブデンチェックとは、被検体にモリブデン検出液(SnCl2/CNS/HCL/H2O)を垂らし、通電することでSUS316に含有されているモリブデンの有無を調べる簡易の非破壊検査方法です。

判別方法は、SUS316の場合は、モリブデン検出液を垂らして通電すると、透明なモリブデン検出液がモリブデンと化学反応を起こして薄赤色に変色します。(右画像参照)

 

ステンレス協会に加盟するベンカンを含めた各社は、このような「成分識別検査」を徹底した管理下で生産を行い、品質をつくり込むことでお客様に信頼いただける製品を供給し続けております。

 

 

 

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