配管
- 2019.12.10
- カテゴリ: 知識|Knowledge
|配管とは
創業の1947年以来、ベンカンでは、変化する環境におかれながらも、ライフラインである配管にこだわり、[配管]を通じて、お客様や社会に対して価値をご提案し続けてまいりました。
故に、そのミッションは、「現在だけでなく未来を考えた 配管の開発と供給を通して信頼ある ライフラインの構築をご提案します。」と掲げさせていただいております。
[配管]ですが、実に様々な用途がありますので、その立場により、実に様々な捉え方ができます。
「管や継手、バルブなどの機材・機器をトータル的に設計して、液体や気体といった流体を、目的箇所まで適切に配送するシステム」とベンカンでは定義づけております。
ここで留意すべきは、[設計]や[機材・機器]ばかりではなく、[施工]つまり、工事までも含まれるということです。
|設計
[配管]は、その用途別で仕様や流体が異なります。
衛生配管:給水配管、給湯配管、排水通気配管、中水配管、雨水配管、井水配管など
空調配管:温水配管、冷水配管、冷温水配管、冷媒配管など
その他:ガス配管、消火配管、サニタリー配管、スラリー配管、油配管、薬品配管など
また、その[配管]の仕様によって成分、温度、圧力、応力なども異なってきます。
故に[設計]では、施設の用途や適用箇所などの求められる条件によって、その性能を勘案する必要があります。
例えば、配管に求められる性能とは、耐久年数、耐圧力、耐温度、耐水質、耐腐食性、耐震動性などの物性、確保すべき流量、設備の稼働・保守、安全性、消費エネルギー、騒音対策、環境共生性、施工性など多岐に渡ります。
近年では、サステナブル建築を反映させた持続性に優れた長寿命の配管も求められるようになってきました。
それらを勘案した結果、設計では、管種、管径、管肉厚、配管ルート、管の配列 、分岐および合流方法、継手の形状と使用箇所、支持方法、弁の形状とその使用箇所、管の熱膨張・収縮の吸収、保温・保冷の仕様、ドレン抜き・エア抜きの方法、ガスケットの仕様などを決定します。
また、どんなに優れた配管であっても、そこには予算が付きまとうことも現実です。
予算には、工事時の初期費用であるイニシャルコストと初期の費用も含めた寿命費用のライフサイクルコストが評価軸となります。
|機材・機器
配管における[機材・機器]の代表が管(パイプ)となります。
管の主な素材は、大きく金属系と非金属系に分類されます。
金属系:ステンレス鋼管、鋼管、鋳鉄管、銅管、塩化ビニルライニング鋼管など
非金属系:硬質ポリ塩化ビニル管、ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブテン樹脂管、コンクリート管など
また、管が直方向であるのに対して、管と管を接合すると共に、方向を変える(エルボ)、分岐させる(チーズ)、径を絞る(レジューサ)、止める(キャップ)などのための機材が管継手です。
管継手で一般的に従来接合とされるのが、溶接式管継手とねじ込み管継手です。
しかしながら、溶接式管継手やねじ込み管継手は、大掛かりな設備や高い技術あるいは、施工品質を保つのが困難であるため、施工品質の均一化を求めた多くのメカニカルジョイントが開発されています。
その他、配管には、弁類、計器類、水栓類、タンク類、ポンプ類、ろ過機類など多くの機材や機器が使用されています。
|施工
[設計]に基づき、指定された[機材・機器]を用いて[配管]は[施工]されます。
施工には必ず資格が必要とは限りませんが、その配管の条件によっては、一定の資格が求められる場合があります。
最も一般的な資格が「配管技能士」です。
「配管技能士」とは、国家資格である技能検定制度の一種で、配管施工の技能を認定する国家資格です。
技能検定試験では「建築配管作業」と「プラント配管作業」に区分されます。
「建築配管作業」は、一般建築配管が対象となり、給水配管、給湯配管、排水通気配管、空調配管などとなります。
対して、「プラント配管作業」は石油製造施設やガス製造施設といった特殊な配管作業を行う方向けになります。
更に高い技能資格となると「管工事施工管理技士」、さらには「建築設備士」などがあります。
また、用途が同じであっても、配管設計や選定された機材・機器によって、それぞれの施工要領があります。(配管継手の接続比較)
これは、各メーカーなどによって異なりますが、指定された施工講習会の受講が義務づけられることも少なくなりません。
|サステナブル配管
[配管]ですが、人が生活する上で欠かせない「ライフライン(lifeline:命綱)」と表現されることも少なくありません。
そして、「ライフライン」だからこそ求められるのが、サステナブル(sustainable:持続可能)性なのだと考えております。
サステナブルとは、近年、重要視されているワードの一つで、2015年9月に開催された国連サミットでは。「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が採択されてるくらいです。
これは、配管に課せられた使命も決して小さなものではないと考え、ベンカンでは、ミッションブランドとして「SUSTAINABLE LIFELINE🄬」を商標登録しております。
そもそもの現代社会はマイオピア傾向に偏っています。
「マイオピア(Myopia)」とは、目先のことばかり考え、「先見の明が無い近視眼的な状態」のこととされています。
産業革命に始まり、高度成長期を経た目先の利益ばかりを求めた結果の現代は、将来的な地球環境の保全が危惧される状態に陥っています。
その典型が、<長寿命化>を無視した<価格指向>のモノづくりだったと言えます。(右図のポジション③)
結果、生産とは、製品ではなく廃棄物や汚染物を生み出す行為ともなっていたのかもしれません。
ベンカンでは、[配管]におけるサステナブル配管とは何かを考え、その答えとして、<価値指向>が高く、<長寿命化>を目指し、「ステンレス配管のベンカン」を宣言させていただき、その実現に向けて誠実に取り組んでおります。(右図のポジション②)
takehiko wagatsuma