マネジメント「時間管理」
- 2022.10.20
|マネジメント
企業には、特有の目的を果たすことによって、社会において存在することの意義が求められます。
そのために、ヒト、モノ、カネ、情報などの様々な経営資源を活用することとなります。
それぞれの経営資源は、それぞれのメリットを活かし、それぞれのリスクを補い合いながら、PDCAサイクルを回すなどして、効率的に成果に結びつける必要があります。
この様な、企業の目的を果たすための機能のことをマネジメントと言います。
経営資源に、カネがあります。
時は、カネなりとの諺(ことわざ)もある通り、時間も重要な経営資源となります。
特に現代では、労働力不足や残業削減などの影響から、限られた時間内で、案件に対して必要な成果を出す必要性が高まっています。
その意味でも時間管理が重要視されています。
費用対効果のコストパフォーマンスに対して、時間対効果のタイムパフォーマンス(タイパ)が流行語となるくらいです。
タイパを意識して改善することで、マネジメントの機能が高まるだけではなく、働き方改革の一助にもなると考えられます。
|優先順位
案件が1つだけであれば、問題ありませんが、多くは複数の案件を抱えているものです。
その場合、案件の仕分けを行います。
代表的なのが、時間管理マトリクスです。(「7つの習慣」より)
第1領域「緊急で重要」
第2領域「緊急ではないが重要」
第3領域「緊急だが重要ではない」
第4領域「緊急でも重要でもない」
ここで言えるのが、重要ではない案件を対応しても成果は高まらないということです。
故に、第4領域「緊急でも重要でもない」は、直ぐに止めるべき案件となります。
次に、第3領域「緊急だが重要ではない」も止めることが前提です。
しかしながら、法的であったり取引先からの要請などで重要でないことは分かっていても、対応せざるを得ない案件もあります。
その場合は、如何に、時間や経費を要さないように処理するかを検討する必要があります。
そして、優先して取り組むべきが第1領域「緊急で重要」と第2領域「緊急ではないが重要」の案件です。
注意すべきは、第2領域が重要であるにも関わらず、緊急ではないために、後回しになってしまいがちな点です。
しかし、第2領域は緊急ではないからこそ、将来的な成果を得るために欠かせない取り組みであることを認識して、第1領域とのバランスを取ることが大切です。
|倍速管理
時間管理を推進する上で、時間軸で捉えてみます。
例えば、依頼を受けた案件の最終期限が、8日間であったとします。
つまり、この期限を短縮させることがタイパを高めることとなります。
この場合、中途半端に期限を短縮させるのではなく、思い切って、半分にする倍速管理をお勧めします。
つまり、[期限①]を半分の4日間に設定します。
この期限を短縮することで、いくつかの効果が期待できます。
まず、期限を短縮することで想像以上に脳は活性化します。
但し、恐らく質は低くなる可能性はありますが、それは想定内です。
ここで重要になるのが成果確認です。
つまり、依頼者が求める成果と自身が描く成果にギャップがないかの確認です。
まず、依頼時に決して、安請け合いすいることなく、[最終期限]や内容を確認することが大切です。
次に、[最終期限]の8日間に対して、半分の4日間の時点の[期限①]で、成果状況を確認してもらいます。
ここでの成果は、質よりも、スピードを優先させていますので、依頼者から納得して受け取っていただけない可能性があります。
しかし、依頼を受けた[最終期限]の倍速で、一定の成果を提出することで信頼度が高まるはずです。
加えて、ここでフィードバックを受けることで、次の期限に向けて成果の質を高めることもできます。
次の[期限②]とは、残された4日間も半分の2日間に設定します。
つまり、元来の8日間に対して、6日間での提出となります。
ここでは、質も高まっているかと思いますで、そのまま成果として受理される可能性も高くなります。
そうなると[最終期限]の2日前の提出ですので、高いタイパと言えます。
仮に差し戻された場合には、残り2日間ですので、また半分の[期限③]で提出すれば、最終期限の1日前の提出となります。
尚、最もタイパの悪いのは、8日間が期限であることを良いことに最終日に手を着けるパターンです。
これでは、成果の質が悪いばかりか、最悪、期限に間に合わないというタイパの悪い状況になってしまいます。
倍速管理ですが、結果的に、依頼時から最終期限までの間に、何回かのPDCAサイクルを回してタイパを高めていることになります。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長