イベントマーケティング
- 2012.10.01
|マーケティング
マネジメントとは、組織の目的を果たすために不可欠なものです。
そして、組織である企業にとっての目的は「顧客の創造」であり、故に、それを達成させるためにマネジメントが欠かせません。
経済学者のドラッカー氏は、その著書の中で、マネジメントに必要な機能の一つに「マーケティング」をあげています。
しかしながら、マーケティング後進国の日本では、未だにセールス(販売)と混同したり、複雑な捉え方をして理解し難くしているケースも少なくありません。
実際、JMA(財団法人日本マーケティング協会)の定義では、「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。(1990年)」と実に分かり難い表現になっています。
対して、ドラッカー氏の捉え方は「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」とシンプルに示されています。
セールス(販売)は売る行為であり、マーケティングは、自然と売れる仕組みをつくることとなる。
|イベントマーケティング
マーケティングの普及と共に、イベントマーケティングやMICEと言う用語も耳にするようになりました。
MICEとは、Meeting(企業等の会議・研修・セミナー)、Incentive(企業の招待・優待・視察)、Convention(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)という、それぞれ異なったビジネス活動の頭文字をつなげた造語です。
国際的規模のコミュニケーション機会となる場合も多く、大きな経済効果を生むプラットフォームとして注目されています。
そして、その価値を最大化させるための取り組みがイベントマーケティング、あるいはイベントマネジメントと言えるのではないかと思います。
先日、報道番組を見ていると、各業界の展示会の模様が特集されており、様々な興味深い製品が紹介されていました。
そして、製品紹介だけではなく、その製品の潜在的な価値を潜在的なユーザーに伝える機会として、展示会が如何に大切なものであって有益に活用すべきかを、あらためて考えさせられました。
あるマーケティング誌の特集記事の中で、シンフォニーマーケティング株式会社の代表取締役 庭山一郎氏が「なぜ、この展示会に出展しているのですか?」と言う問いがありました。
対して、庭山氏曰く、「競合他社も出展しているから」、「毎回、出展しているから」、「業界のお付き合いがあるから」と言ったニュアンスの答えが少なくないのだそうです。
展示会に限らず、企業のイベントの中には、付加価値を生み出さない無駄な固定費に成り下がっているものもあります。
イベントマーケティングも含めて、マーケティングとは、「自然に売れる仕組みをつくること」です。
故に、イベントとは、付加価値を生み出せるような場としなければ、その価値はないに等しいといえるかと思います。
|価値提案
ベンカンといたしましても、以前よりマーケティング戦略を取り入れており、「既存価値の切り口を変えて、その価値を拡大する・新しい行動によって、新規価値を創造する」あるいは「自然と売れる仕組みづくり」と定義づけています。
つまり、イベントを通して、普段の営業活動だけではお伝えし切れない価値をご提供させていただき、デマンドジェネレーション(需要創出)の機会とすることが目的となります。
主に取り組んでいるのが、展示会出展、体験型の工場見学提案、勉強会の開催などとなります。
また、昨今では、オンラインによる勉強会(ウェビナー)を毎月開催しております。
イベントを検討する上で重要視しているのが、STPです。
STPとは、「セグメンテーション(市場細分化)」、「ターゲティング(狙う市場や顧客層の設定)」、「ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)」の頭文字をとったものです。
例えば、展示会であれば、決して出展することが目的とならない様にSTPを具体化させるようにしております。
特に、ターゲティングでは、どの様なニーズをお持ちのお客様にお立ち寄りいただきたいのかを明確にします。
もちろん、お立ち寄りいただきたいお客様が来場しないような展示会には出展いたしません。
出展となれば、お客様のニーズにお応えできるプレゼン方法を検討いたします。
また、展示会では、お客様と営業スタッフが直接、お話させていただく最高の機会です。
WEBや電話ではお伝えし切れない価値情報を最善を尽くしてお伝えさせていただくと共に、お客様の声を直に伺わせていただくことを大切に致します。
今後も、イベントマーケティングを有益な価値提案機会とすべく検討させていただきます。
是非とも、ベンカンが企画する各種イベントをご活用いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
我妻 武彦(Takehiko Wagatsuma) 代表取締役社長